Google検索で何のキーワードを入れるかが実力を左右するというのもすごい時代だなと思う。私は経験的に英語で入力できたほうが大きな網を張れるなと感じるが、その程度で止まっていて、たとえばコンピュータ言語とかも習ったほうがいいのかなとおもっても実際はやっていない。こないだ何かの本でGoogle検索にワイルドカードというのがあると読んで、かっこいい響きだなと思った。
ワイルドカードとは「*」のことで、不明な語句があってもそれをワイルドカードで表示することで前後の語句との類推で検索してくれる。たとえば「blessed are the * inherit *(なんとかな者は幸いである、なんとかを継ぐ)」と入れれば「Blessed are the meek, for they will inherit the earth(柔和な者は幸いである、彼は地を継ぐからである;Mathew 5 5)」と出る。まあ言葉はかっこいいが、Googleが優秀すぎてワイルドカードを使わなくてもだいたい当ててくれるが。
と、ここまで調べてもまだGoogle検索演算子について系統的に勉強しようという気にならなかったのは、わたしの怠惰というかGoogleが頭が良すぎるのである…。しかし最近「血漿交換で溶血しますか?」と研修医に聞かれて「plasma exchange complication hemolysis」と入れても、TTP-HUSのことしか出てこない。それでPubmedならBUTで除外検索をかけるなあと思いだしたが、Googleでは使えない。仕方なく「Google 除外検索」で検索演算子一覧をみたら、除外検索は「"A" -"B"」とダッシュを使うらしい。
しかしこれでTTPを除外したらABO不適合移植の話しかでてこない。でABOも除外検索したら検索結果がなくなってしまった。Googleに勝ったような見捨てられたような複雜な気分だ。私は血漿交換膜のせいでもなく自己免疫疾患に続発したAIHAでもなく、置換でつかうFFPのなかに運悪く変な抗体があったのだろう(から肺胞出血のない透析依存ANCA関連急性進行性糸球体腎炎なのでアルブミン置換にすればいい)と思っているが。それで「FFP transfusion hemolysis」検索をかけたらいっぱいでてきた(Transfusion 2012 52 S1 65S )。Googleと仲直りだ。
[2016年7月追加]日本で用いられる血漿分離器(ポリエチレン中空糸)の添付文書には溶血の記載があって、TMP 60mmHg以下にすること、起きたら中止することとあった。機序、頻度、起こるタイミング、置換液による違い、中止後の対応、一回発生したあとの代替分離器の有無など、詳細は不明だが(会社の電話番号はあるので問い合わせることは可能だ)。やはり日本語でも検索しないといけない。