入院患者さんが十分な栄養を与えられず飢えて、ひょっとすると命を落としているという注意喚起は何十年も前からされている。しかしいまだに軽々しくそして不必要に長くNPOオーダーがだされている(doi:10.1136/bmjqs-2015-004395)。それもさることながら、入院患者さんがケアがゆきとどきにくい週末に十分な水分を与えられず月曜日にそろって高Na血症になる(なかには意識障害を伴うものも)というのもまずい。ひとつには「自由水をいれると体液過剰になる」という半ば恐水症のような意識が(とくに医師に)ある。あと経管栄養は100%が水分ではないということを知らない、という基本的なものもある。私は「高Na血症は拷問だ」と習った。口渇はとても苦しいし、高Na血症は(中枢性尿崩症でもない限り)医原性だからだ。というかthirst tortureという拷問が本当にある。私は患者さんが苦しんだり不利益を被るのをヘラヘラ見過ごすことはできないから、教育しなければならない。