2015/11/27

M protein & λ restriction & Ig gene rearrangement

 腎臓内科医は他の内科も詳しく知っていなければならない。濾胞性リンパ腫の「(CT上)完全寛解」後にLDHやsIL-2Rが上昇している症例の尿所見がまったくない進行する腎不全で、生検したら①腎の間質を這うように異型のあるB細胞が浸潤しており、②それがλ拘束に染まっていて、③IgG-λのMタンパクが血中に出ていて(もちろんκ/λ比も偏っている)、④骨髄にリンパ腫や骨髄腫がない場合、浸潤しているB細胞がクローナルでMタンパクを産生している(すなわちリンパ腫の再発)と言ってよいのではないだろうか。それ以外の診断が除外されているならなおさらだと思うが。それでもまだ、腎組織をとってB細胞の染色体転座(FISH)や免疫グロブリン遺伝子再構成(利根川進先生…)を調べなければならないのだろうか。腎原発のリンパ腫というのはまずないと思うが、リンパ腫の腎浸潤ならまれだが報告はある(ただし腎が腫大して尿所見も陽性な例が多いが)。