数か月に一回、renovascular grand roundという会があって、腎血管に関するテーマを学ぶことができる。こなだはrenal artery stenosisの話になった。まずエコー(ドップラー)所見について。動脈の収縮期スロープが急なほどよく流れているといえる。数値としてacceleration index(⊿v/⊿t[m/sec^2])があり、3m/sec^2以下が診断の目安だ。
ほかにはPSV(peak systolic velocity)を調べる。腎動脈基部の流れが大動脈より著しく速い場合には狭窄を疑う(reno-aorto ratio、RAR3.5以上が目安)。しかし超音波はまったく正常なのに実際angiogramをしたら腎動脈が99%狭窄、広げたら腎機能が見違えるように回復したというような例はいくらもある。
他にCTA、MRA、captopril renogramもあるが、どれも完璧な検査とはいえない。Captopril renogramはこの会で初めて知ったが、おしゃれな検査だ。患者さんにACE阻害薬を内服してもらうと、狭窄があればその腎ではefferent arterioleの収縮が起こらずnephronのfiltering pressureがさがってGFRが低下する。それで検査の感度があがるというわけだ。