毎週木曜日に更新されるものといえば?
−NEJMの最新号がweb pageに登場する日
私も読者の1人である。中でも「case records of MGH」はいつも興味深い臨床推論が展開されて楽しみにしている。そんな中、今週の症例(DOI: 10.1056/NEJMcpc2002418)が一際目をひいた。
題名は、AKIを合併した68歳男性のCOVID19患者の経過である。
普段であれば「case records of MGH」は病歴から鑑別、診断、治療、経過ととにかく臨床医の頭の中を言語化してくれている。
しかし、今回のcase recordは少し趣きが異なる。
・たった数ヶ月で様々な知識が不完全ながら集約してきた様子
・目の前の患者の臨床医の苦悩
・社会背景まで考慮した考察
この論文の中でも、
・腎臓自体へのCOVID19の直接障害
・凝固障害
・透析条件
・限りあるリソース
などの問題点が挙げられている。COVID19の知識の確認はここを確認していただきたい。
ところで、この患者は結局どうなったか?
最終的にはリハビリテーション施設へ無事転院した。
ほっとした。
今、まさしく全世界がCOVID19と戦っている。
総力戦を描き上げた、そんなcase recordだった。
なお、同じ号のClinical practice(DOI: 10.1056/NEJMcp2009575)も参照。