2019/04/30

尿から色々考えてみよう (尿AGとアンモニアの小話)

 今回は小話なので短く書こうと思う。

 まず、結論から書くと尿中AGはCKD患者では尿中アンモニア測定のいい代替方法にはなりづらい。

 CKDにおいて尿中アンモニウムは非常に重要である。尿中アンモニア低下は腎臓、生命の予後悪化の関連性が示されている(JASN 2017)。


JASN 2017より


 では、どのようにして尿中アンモニアをCKDの患者では測定すればいいのであろうか?

 そもそもCKD患者で、尿AGがうまく尿中アンモニア濃度の推定に寄与しない理由としては、計算式にリンや硫酸などを含んでいないためとされ、下記のようなUAGPLUSという式が提言された。

CJASN 2018


 この式を用いた場合には、尿AGと尿アンモニア濃度に一定の相関性が認められたと報告
されている(下図)。


CJASN 2018

 なので、もしCKD患者で尿中NH4を測定したい場合に、UAGPLUSを用いるのがいいかもしれない。もちろん直接測定できるのが一番だが。

 あまり、注目度としては薄いアンモニアではあるが、今後は色々な場面で注目を浴びて行く可能性は高いのではないか。