2015/04/13

リニアプローブで腎生検

 今回、腎生検のプローブはリニアでV字に切れ込みが入ったやつを使った。アメリカでも前の職場でも、普通のコンベックス(扇状にエコーが出るやつ)プローブに外付けアダプターをはめてガイドを付けていたが、それは今の職場にはなかった。代わりにコンベックスにV字の切れ込みが入ったやつがあって、本番はそれを使おうという話になっていた(そのプローブなら内科病棟のエコー機につけられるから便利と言うのもあった)。

 しかし当日行ってみると置いてあったのはリニアのプローブ。そのプローブが嵌められるエコー機をわざわざ泌尿器科外来から取り寄せてくれていた。使ったことがないのでどうしようかと思ったが、放射線室の室長が一番お勧めしていたのは実はこれだったし、今更変えることも出来ないと決心して、リニアプローブを使うことにした。

 V字の切れ込みにチーズ片のような形のガイドをはめ、ストッパーで固定(これに手間取ったが室長が来てくれて教えてくれた)。そして18G針が18G用のガイドの孔に入らないから、15G用のガイドを使った。リニア画像は見やすいが、V字の切れ込みの底が空いているので無エコーになり、そこをさけて斜めにガイドを設定するのがコツだ。そうしないと腎下極も生検針も無エコー域に隠れてしまう。

 あとコンベックスであれリニアであれ、V字に切れ込みの入ったプローブが素晴らしいのは、外付けアダプターと違ってプローブカバーが不要なことだ。滅菌してあるプローブとガイドを術野において、滅菌ジェルをつければいいだけだからだ。外付けガイドはプローブカバーをかぶせるのが一苦労なうえ、プローブカバーの内と外にジェルをして、画像もカバーなしで直接見るのに比べると不鮮明だ。

 というわけで新しい器具にも慣れて、少し成長した。いつまでも古いやり方に固執していては縮んでしまうから、あえて挑戦してみてよかった。