今回の話題は腎結石についての話題である。
腎結石に関しては以前の記事を参考にしていただきたい。
いくつかの食事や生活習慣の因子が腎結石産生のリスク上昇の危険があることが知られている。
今回の論文はBMI、飲水摂取、DASH食、カルシウム摂取、糖分の多い飲料のリスク因子をPAF(population attribute fraction)、NNTP(number needed to prevent)で見ている。
データはHPFS(Health Professionals Follow-up Study)、NHS(Nurses Health Studies)から使用している。
192126人の患者で、6449人が腎結石が発症した。
HPFS,NHSⅠ,NHSⅡのデータで見ている。
PAFは糖分の多い飲料の4.4%から飲水摂取低下の26%まで分かれている。
10年以上のNNTPが飲水摂取低下の67からカルシウム摂取低下の556まで分かれている。
今回のものでは上記のリスク因子を減らすことで、結石の予防は可能であることがわかる。
ちなみに、
BMIに関しては30以上は21-22.9に比べて30%-109%リスクが高くなる。
飲水摂取増加は結石発生率の低下を起こす(RCTで56%再発を防いだとされている。)
フルーツ摂取、野菜摂取、低脂肪食は結石発生率を45%低下させる。
適切なカルシウム摂取は女性で27-35%、男性で44%の結石発生を低下させる。
動物性脂肪食制限や塩分制限は結石再発を51%低下する。
また、SSB(soda and punch)の頻回な摂取は結石の発生率を30-40%上昇させる。
結石は色々な種類があり、まずは成分分析が重要であり、それに応じた対応をすることが重要である。
クマさんがおしっこしないで冬眠できるのも、じん臓が一日に体液の何十倍もろ過してから不要なものを残して再吸収するのも、じん臓の替わりをしてくれる治療があるのも、すごいことです。でも一番のキセキは、こうして腎臓内科をつうじてみなさまとお会いできたこと。その感謝の気持ちをもって、日々の学びを共有できればと思います。投稿・追記など、Xアカウント(@Kiseki_jinzo)でもアナウンスしています。
2017/04/11
2017/04/10
尿のアンモニアが予後予測につながる?(Urine Ammonium Predicts Clinical Outcomes in Hypertensive Kidney Disease)
ご無沙汰しています。
4月の投稿の初回です。間が空いてしまいすみませんでした。
今回の投稿は尿中アンモニアの話です(JANS 2017)。
アシドーシスの場合には一般的には腎臓(尿)からH+がNH4+の形で排出される。
尿中アンモニアは尿の緩衝系で働いており、尿中アンモニア排泄の低下は慢性腎不全において代謝性アシドーシスを引き起こす(酸の排泄低下により)。
つまり、尿中アンモニア排泄低下→これがアシドーシス進行や早期の腎不全の予後予測マーカーになるのではということを見た研究になる。
今回の論文は1044人のAASK ( African American Study of Kidney Disease and Hypertension)のデータから取って見ている。
平均のアンモニア排泄量は19.5mEq(6.5-43.2mEq)であった。
排泄量を
①(low group):10.5mEq(4.2-14.8mEq)
②(median group):19.4mEq(15.6-23.5mEq)
③(high group):31.4mEq(24.9-53.1mEq)
に分けた。
結果では、③のグループ(ちゃんと尿中からアンモニアを排泄している群)に比べて、末期腎不全や死亡のリスクが、①のグループのHazard ratioは1.46(1.13-1.87)、②のグループは1.14(0.89-1.46)で上昇していた。
アシドーシスがない慢性腎不全群で見た場合に尿中アンモニア排泄を20mEqをカットオフとして、20以上排泄に比べて、20未満の排泄であれば1年でのアシドーシス発生の頻度が優位に高く、また末期腎不全や死亡のリスクが高かった。
この論文からは高血圧性の慢性腎不全において、アシドーシスがその際に存在していようがいまいが、尿中アンモニア排泄の低下は死亡や末期腎不全のリスクを上昇させると結論づけている。
尿中NH4+は日常的に測定できるものではなく、尿AGが用いられており、それを代用とした研究も進んでいるのが事実である。
2017/03/31
移植での体格差や性別は移植腎に影響するか??(Donor-Recipient Weight and Sex Mismatch and the Risk of Graft Loss in Renal Transplantation)
今日は個人的には嬉しいことがあった日だ。本当に家族って大切だなと改めて実感した。
今日の話題は移植の話である。
我々の施設でも移植をやっており、移植のドナーが小さい母親で、レシピエント(受け取る側)が大きな成人男性であることに遭遇することが多い。
その際に、移植後に血清Cr値が通常の場合より高く出る場合が多い。その際に「体格差だから仕方ないね」という会話をすることが多い。
では、体格差がGraft Lossにどこまで起因するかを見たものが今回の研究である(CJASN 2017)。
腎移植後の早期・晩期合併症において免疫学的mismatchesは大きな要因であるが、非免疫学的なものも原因となりうる。その中で、移植腎のサイズ(移植腎の重さやBMIや体表面積などをsurrogateとして見ることが多い。)は一つの原因となりうることが報告されている。
また、性別の違いも同様に移植後のGraft障害の悪化ということも報告されている。
今回は米国で2000年1月1日から2013年12月31日まで見た研究である。
除外したものとしては、生体腎ドナー・患者が18歳未満・多臓器移植をされたもの・ドナーやレシピエントの体重記載のないものを除外している。
性別はFDMR(女性のドナーから男性のレシピエントへ)、FDED(女性のドナーから女性のレシピエント)、MDFR(男性のドナーから女性のレシピエント)、MDMR(男性のドナーから男性のレシピエント)に分けた。
体重をsurrogateとし、体重を>30kg,10-30kg,<10kgに分けた。
アウトカムをGraft Lossとして慢性の維持透析を導入するか再度移植を行った場合とした。
ドナーとレシピエントの年齢、身長、ドナーの死因、腎虚血時間、レシピエントの末期腎不全の原因、HLAミスマッチ数、既存抗体の割合(0-20%,20-80%,>80%)、併存疾患なども抽出した。
結論:
115124人のうちgraft lossが21261人の患者(18.5%)に見られた。
そのリスクとして高かったのが、多変量解析でレシピエントの体重がドナーよりも30kg以上大きかったものや性別が異なるものであった。
これは、死体腎移植のものであり、日本のデータにはそくしたものではないかもしれないが、日本でもこういう研究を行うのは面白いなと思った。
2017/03/26
低ナトリウム血症を再度考える パート2 (Rethinking about hyponatremia from case record of MGH NEJM)
パート1での回答は各々の中で出ただろうか?
今回の論文では数々学ぶポイントがある。
A)低ナトリウムと尿浸透圧高値の所見からは何を考えるか?
-CSWS(cerebral salt wasting syndrome)、薬剤、ホルモンの変化に伴うもの、中毒、SIADHなど。
今回の症例では甲状腺機能は問題なく、薬剤使用もなく、CSWSを疑わせる所見もなく、もし他の鑑別があがらないとSIADHになる。
・ここで、ポイントは若年女性では妊娠は考えなくてはならず、また妊娠は程度として強くないが低ナトリウム血症を引き起こしうることである(相対的水分過剰)。
・SIADHは常に除外診断である事である。
B)利尿剤の乱用と低ナトリウム血症
今回の鑑別で若い女性で考えないといけないのは、利尿薬の乱用である。
利尿剤の中でサイアザイドの使用はループ利尿薬より低ナトリウム血症を来たす。
まず、サイアザイドが低ナトリウム血症を来たす機序を説明する前に、一つ知っておく必要性があるのが、countercurrent multiplication(対向還流)というヘンレループ特有の機序である。
これは、ヘンレの下降脚は電解質の移動を起こさずに、水の再吸収を行う。
逆にヘンレの上向脚はNa/Cl/Kなどの電解質の再吸収のみ行い水の再吸収はおこさない。これにより髄質で高い浸透圧を作ることが出来る。
また、ヘンレループは腎臓の髄質にあるということも重要な情報である。
ループ利尿薬ではヘンレの上行脚でNa再吸収が阻害され、腎髄質の浸透圧が下がる。
それにより、最終的に水の再吸収が行われる集合管でも浸透圧が下がり、浸透圧勾配にしたがって移動する水は再吸収されにくくなる結果、尿量は増加。
サイアザイドは腎髄質の浸透圧に影響を来さないので、尿量の増加は多くはなく、またADHに対する水貯留の反応が良好なため低ナトリウム血症を生じる。
サイアザイドによる低ナトリウム血症は治療開始後1-2週間で生じる。
多いのは痩せた高齢女性であり、volume statusは正常な場合が多い。
この症例では、女性は若年であり発生頻度の多い年齢には合わないが鑑別としては残る。
C)副腎不全と低ナトリウム血症
全ての副腎不全で低ナトリウム血症は生じやすいが、原発性の場合に最も多く生じる傾向にある。
副腎不全の中でも原発性の頻度は稀である。これは、腫瘍・炎症・出血などで副腎が>90%破壊されると生じる。Glucocorticoidと mineral-corticoid(アルドステロン)の両方が低下するというのがポイントである。
二次性では下垂体機能低下, ACTH分泌低下による機序である。
原発性で低ナトリウム血症になる機序は2つあげられる。
①コルチゾールの欠乏
-これがADH分泌を抑制させる機構を破綻させる(CRH産生亢進でADH分泌促進)。
②アルドステロン欠乏
-尿細管のNaバランスを調整する部分を変化させ、低ナトリウム血症をおこす。
volume statusは正常か低下の場合がおおい。
この症例では、可能性は否定はできない。
D)MDMAの使用と低ナトリウム血症
エクスタシーとよばれるもので合成麻薬である。使用による合併症として高血圧・頻脈・横紋筋融解症・セロトニン症候群・低ナトリウム血症・昏睡・死亡などがある。
低ナトリウム血症の機序としてはADH様物質の増加と口渇に伴う飲水過多が原因となる。
volume statusは正常か低下の場合が多い。
この症例では薬剤のチェックで引っかからず病歴的にも合致しなかった(薬剤服用して1-3日で陽性になる)。
結果的には・・・
この症例では利尿剤濫用・副腎不全が除外できていない。
この症例を鑑別していくときのキーポイントは
・低血圧、軽度高カリウム血症、代謝性アシドーシスの点である。
低血圧に関しては、輸液のみで改善している。この点では、副腎不全には少しそぐわない。
軽度高カリウム血症や代謝性アシドーシスは、利尿剤の乱用を行っていた場合には高アルドステロン状態になり、低カリウム血症・代謝性アルカローシスになる場合が多く合わない。
この症例では最終的には、検査も行い原発性副腎不全という結果になった。
最初コルチゾールの基礎値を測定した際には高値であった。しかし、これはストレス環境下であり、その場合には高値になる事が多い。
今回の論文では数々学ぶポイントがある。
A)低ナトリウムと尿浸透圧高値の所見からは何を考えるか?
-CSWS(cerebral salt wasting syndrome)、薬剤、ホルモンの変化に伴うもの、中毒、SIADHなど。
今回の症例では甲状腺機能は問題なく、薬剤使用もなく、CSWSを疑わせる所見もなく、もし他の鑑別があがらないとSIADHになる。
・ここで、ポイントは若年女性では妊娠は考えなくてはならず、また妊娠は程度として強くないが低ナトリウム血症を引き起こしうることである(相対的水分過剰)。
・SIADHは常に除外診断である事である。
B)利尿剤の乱用と低ナトリウム血症
今回の鑑別で若い女性で考えないといけないのは、利尿薬の乱用である。
利尿剤の中でサイアザイドの使用はループ利尿薬より低ナトリウム血症を来たす。
まず、サイアザイドが低ナトリウム血症を来たす機序を説明する前に、一つ知っておく必要性があるのが、countercurrent multiplication(対向還流)というヘンレループ特有の機序である。
これは、ヘンレの下降脚は電解質の移動を起こさずに、水の再吸収を行う。
逆にヘンレの上向脚はNa/Cl/Kなどの電解質の再吸収のみ行い水の再吸収はおこさない。これにより髄質で高い浸透圧を作ることが出来る。
また、ヘンレループは腎臓の髄質にあるということも重要な情報である。
ループ利尿薬ではヘンレの上行脚でNa再吸収が阻害され、腎髄質の浸透圧が下がる。
それにより、最終的に水の再吸収が行われる集合管でも浸透圧が下がり、浸透圧勾配にしたがって移動する水は再吸収されにくくなる結果、尿量は増加。
サイアザイドは腎髄質の浸透圧に影響を来さないので、尿量の増加は多くはなく、またADHに対する水貯留の反応が良好なため低ナトリウム血症を生じる。
サイアザイドによる低ナトリウム血症は治療開始後1-2週間で生じる。
多いのは痩せた高齢女性であり、volume statusは正常な場合が多い。
この症例では、女性は若年であり発生頻度の多い年齢には合わないが鑑別としては残る。
C)副腎不全と低ナトリウム血症
全ての副腎不全で低ナトリウム血症は生じやすいが、原発性の場合に最も多く生じる傾向にある。
副腎不全の中でも原発性の頻度は稀である。これは、腫瘍・炎症・出血などで副腎が>90%破壊されると生じる。Glucocorticoidと mineral-corticoid(アルドステロン)の両方が低下するというのがポイントである。
二次性では下垂体機能低下, ACTH分泌低下による機序である。
原発性で低ナトリウム血症になる機序は2つあげられる。
①コルチゾールの欠乏
-これがADH分泌を抑制させる機構を破綻させる(CRH産生亢進でADH分泌促進)。
②アルドステロン欠乏
-尿細管のNaバランスを調整する部分を変化させ、低ナトリウム血症をおこす。
volume statusは正常か低下の場合がおおい。
この症例では、可能性は否定はできない。
D)MDMAの使用と低ナトリウム血症
エクスタシーとよばれるもので合成麻薬である。使用による合併症として高血圧・頻脈・横紋筋融解症・セロトニン症候群・低ナトリウム血症・昏睡・死亡などがある。
低ナトリウム血症の機序としてはADH様物質の増加と口渇に伴う飲水過多が原因となる。
volume statusは正常か低下の場合が多い。
この症例では薬剤のチェックで引っかからず病歴的にも合致しなかった(薬剤服用して1-3日で陽性になる)。
結果的には・・・
この症例では利尿剤濫用・副腎不全が除外できていない。
この症例を鑑別していくときのキーポイントは
・低血圧、軽度高カリウム血症、代謝性アシドーシスの点である。
低血圧に関しては、輸液のみで改善している。この点では、副腎不全には少しそぐわない。
軽度高カリウム血症や代謝性アシドーシスは、利尿剤の乱用を行っていた場合には高アルドステロン状態になり、低カリウム血症・代謝性アルカローシスになる場合が多く合わない。
この症例では最終的には、検査も行い原発性副腎不全という結果になった。
最初コルチゾールの基礎値を測定した際には高値であった。しかし、これはストレス環境下であり、その場合には高値になる事が多い。
今回の症例とは関係ないが我々として覚えておかなくてはならないのが、3次性の副腎不全(長期ステロイドによる副腎不全)である。
これは、長期ステロイド内服による視床下部-下垂体-副腎(HPA axis)の萎縮である。20-30mg/日のステロイドを5日以上使用した患者は常にリスクがあるが、 短期投与の場合は抑制も数日で改善する。機能低下は先ず中枢性に起こり、その後副腎萎縮となる。抑制されたHPA axisが戻るのには9ヶ月以上かかることを知っておく必要がある。そのために、ステロイドを避ける治療があれば選択することは重要である。
この症例からは様々学ぶものがあると感じた。低ナトリウム血症を見た時のアセスメントは非常に重要である。
2017/03/25
低ナトリウム血症を再度考える パート1(Rethinking about hyponatremia from case record of MGH NEJM)
今回、NEJMでのMGHのケースで低ナトリウム血症の話題が出たので触れたいなと思った(NEJM 2017)。
低ナトリウム血症の鑑別を考える上でも考えさせられたし、知らない知識も多くとても楽しかった。
では、パート1は症例の紹介をする。
パート2以降に結果などを書こうと思う。
低ナトリウム血症の鑑別を考える上でも考えさせられたし、知らない知識も多くとても楽しかった。
では、パート1は症例の紹介をする。
パート2以降に結果などを書こうと思う。
症例:27歳女性
主訴:嘔気・嘔吐、検査で低ナトリウム血症
現病歴:
入院1週間前:嘔気と非出血性の嘔吐あり。医療機関は受診しなかったが、数時間で改善。
入院2日前:夕方にシーフードを食べて同症状
入院1日前:食事後に反復性嘔吐で食べられず、しかし飲水接種は可能で大量の水を飲んでた。
入院日:
友人と会話し、観光にも参加。夕方前より軽度困惑症状出現、その後傾眠と歩行困難出現。そのため、A病院救急外来にに車で搬送
その時点ではBT:36.1、BP:94/64、HR:100、RR:16、SpO2:100(RA)、質問には答えられず手足を目的無く動かしたりしていた。血圧は再検しても73/54であり、生食投与を行っていた。
血液検査でNa104mmol/l、K:5.1mmol/l、Cl74mmol/l、CO2:19mmol/l、血糖:114、AG:11と分かった。また、AST/ALT:37/37 U/l、その他の腎機能などは問題なかった。
尿検査で妊娠反応・薬物反応は陰性。サリチル酸やアセトアミノフェン濃度:正常であり、集中治療管理のため、転院した。
転院先で:
やはり質問に答えられない意識障害で家族から病歴聴取。
彼女は健康な大学卒業した女性で、南アメリカ出身で友達とニューイングランドを訪れていた。
経口ピルを使用。飲酒は機会飲酒、喫煙・市販薬は使用なし。
家族歴;母が乳癌、それ以外は自己免疫性疾患などなし。
身体所見:
BT:36.7、BP;102/57、HR:92、RR:12、SpO2:100%(RA)
傾眠傾向で指示には従わず。痛み刺激には反応あり。
瞳孔は問題なし。皮膚湿潤あり。
心音・呼吸音:問題なし。腹部所見:問題なし、肝臓・脾臓は触れず。
浮腫もなし
追加の採血検査は下記。
尿中浸透圧・尿中Na多い。甲状腺機能問題なし
CTは頭部問題なし。胸部レントゲン問題なし。
かなり27歳の女性ということであまり低ナトリウム血症でくるのが高齢者が多い印象があるため色々と憶測はしてしまいそうになる。
でも、我々の前にも現れる可能性もあるため、しっかり考えるべきである。
2017/03/22
透析患者におけるNOACの効果はどうなのか?(Apixaban Pharmacokinetics at Steady State in Hemodialysis Patients)
末期腎不全で心房細動を有している患者に対してはワーファリンが保護的に働くのか害として働くのかに関してはわかっていない。
いくつかのコホート研究で示されてはいるが、明確に示されてはいない(circulation 2014,AJKD 2015)。また、カナダの論文でsystematic reviewもだされているが、それでも明らかな差は認められていない(canadian journal of card 2017)。
今回の論文はアピキサバンを使用した際にどのくらいの容量が治療効果があるのかを見た論文である。
まず、これらの薬について簡単に復習する。
ダビガトラン(プラザキサ)、リバロキサバン(イグザレルト)、アピキサバン(エリキュース)、エドキサバン(リクシアナ)はNOACと呼ばれる薬である。
作用機序別にわけると下記のようになる。
FXa阻害剤
・イグザレルト(リバーロキサバン)
・エリキュース(アピキサバン)
・エドキサバン(リクシアナ)
直接トロンビン阻害剤
・プラザキサ(ダビガトラン)
腎機能別に考える。
・ダビガトラン(RE-LY trial)
-150mg(75×2):CCr50以上
-110mg:Ccr30-50
・イグザレルト(ROCKET-AF trial)
-15mg:Ccr>50
-10mg:CCr15-49
-<15:使用しない
・エリキュース(ARISTOTLE trial)
-2.5mg:CrCl15-29
-<15:使用しない
今回はアピキサバンを見ている研究である(JASN 2017)。
実際に透析患者にアピキサバンを用いたときにどのよう量が効果があるのかを見ている。
7人の患者で行い、
2.5mg×2のアピキサバン内服を開始。7日間見ている。
その後、wash out期間を設けて
5人の患者に、5mg×2のアピキサバンの内服をおこなった。
透析におけるアピキサバンの除去は4%程度であった。
この研究でわかったことは、ワーファリンの代用をするならば2.5mg×2でいいと言う事である。また、5mg×2を用いた場合には血中濃度が高くなりやすい。
では、今後はこの研究から発展して実際にNOACが予防効果があるかをみるかたちになるのであろうか?
出血や虚血は起こってみないと本当に目に見えないものであり、予測は常に難しいなと感じている。その分、薬の効果も判定しづらい部分はあるのかもしれない。
いくつかのコホート研究で示されてはいるが、明確に示されてはいない(circulation 2014,AJKD 2015)。また、カナダの論文でsystematic reviewもだされているが、それでも明らかな差は認められていない(canadian journal of card 2017)。
今回の論文はアピキサバンを使用した際にどのくらいの容量が治療効果があるのかを見た論文である。
まず、これらの薬について簡単に復習する。
ダビガトラン(プラザキサ)、リバロキサバン(イグザレルト)、アピキサバン(エリキュース)、エドキサバン(リクシアナ)はNOACと呼ばれる薬である。
作用機序別にわけると下記のようになる。
FXa阻害剤
・イグザレルト(リバーロキサバン)
・エリキュース(アピキサバン)
・エドキサバン(リクシアナ)
直接トロンビン阻害剤
・プラザキサ(ダビガトラン)
※ファーマシスタより転記
腎機能別に考える。
・ダビガトラン(RE-LY trial)
-150mg(75×2):CCr50以上
-110mg:Ccr30-50
・イグザレルト(ROCKET-AF trial)
-15mg:Ccr>50
-10mg:CCr15-49
-<15:使用しない
・エリキュース(ARISTOTLE trial)
-2.5mg:CrCl15-29
-<15:使用しない
今回はアピキサバンを見ている研究である(JASN 2017)。
実際に透析患者にアピキサバンを用いたときにどのよう量が効果があるのかを見ている。
7人の患者で行い、
2.5mg×2のアピキサバン内服を開始。7日間見ている。
その後、wash out期間を設けて
5人の患者に、5mg×2のアピキサバンの内服をおこなった。
透析におけるアピキサバンの除去は4%程度であった。
この研究でわかったことは、ワーファリンの代用をするならば2.5mg×2でいいと言う事である。また、5mg×2を用いた場合には血中濃度が高くなりやすい。
では、今後はこの研究から発展して実際にNOACが予防効果があるかをみるかたちになるのであろうか?
出血や虚血は起こってみないと本当に目に見えないものであり、予測は常に難しいなと感じている。その分、薬の効果も判定しづらい部分はあるのかもしれない。
2017/03/20
IgA腎症と妊娠から考えること。(IgA nephritis and pregnancy and so on.)
個人的に今週末は幸せな気持ちになる週末でした。
そんな週末を経て今日は上記の話題を書きたいとおもいます。
やはり、今日外来でIgA腎症の人に
「先生、私妊娠したいんですけど薬はどうすればいいですか?」
と聞かれた。この患者さんの内服薬はARBを内服しており、タンパク尿は0.3g/Cr程度、腎機能も問題なし。また、扁桃摘出+パルス療法を行って完全寛解を得られている。
でも、やっぱりタンパク尿減らすためにARB使用していて減らすのはどれだけいいのか?妊娠でIgA腎症は再燃しないのか?と考えてしまった。
まず、IgA腎症において妊娠は正常な腎機能であれば許容される(AJKD 2014)
では、慢性腎機能障害の人はどうであろうか?
GFR<70mL/min以下、高血圧非コントロール例、腎生検で重度動脈や尿細管間質病変がある症例では、腎疾患が増悪する可能性は高くなると言われる(Clin nephrol 1994)。
では、妊娠患者の腎生検はどの人に行なえるのだろう?
まずは、血圧コントロールが良好に行えていること。また、凝固異常の併存がないこと。また、妊娠32週以前が推奨はされている。
逆に32週以降の推奨はされていない。
ARBやACE-Iは妊娠中には全期間使用は推奨されていない。これは胎児への影響が示唆されているためである。
妊娠を3期に分けた時に
1期(15週まで):ARBやACE-Iは胎児の心血管や中枢神経系の奇形を起こしうる。
2−3期:使用により胎児のGFR低下をきたし、また肺の低形成などに繋がり、胎児死亡に繋がる。
ARBやACE-Iの他にシクロフォスファミドやMMFも胎児に影響を与えるので、妊娠前には切ることが推奨される。
とすると、今回の症例に関しては、血圧の推移を見ながらではあるがARBやACE-Iを終了し、血圧が上がるようであればα-Methyldopaやカルシウム拮抗薬を用いて管理をする。
そして妊娠に備えるという形にした。
しかし、腎機能が悪い方もいるので妊娠に伴う悪化のリスクは話すことは重要である。
今回調べていてCJASN 2013のケースは一通り学ぶのに勉強になる!一読をお勧めする。
今回も患者さんから一つ勉強させていただいた。ありがたい。
そんな週末を経て今日は上記の話題を書きたいとおもいます。
やはり、今日外来でIgA腎症の人に
「先生、私妊娠したいんですけど薬はどうすればいいですか?」
と聞かれた。この患者さんの内服薬はARBを内服しており、タンパク尿は0.3g/Cr程度、腎機能も問題なし。また、扁桃摘出+パルス療法を行って完全寛解を得られている。
でも、やっぱりタンパク尿減らすためにARB使用していて減らすのはどれだけいいのか?妊娠でIgA腎症は再燃しないのか?と考えてしまった。
まず、IgA腎症において妊娠は正常な腎機能であれば許容される(AJKD 2014)
では、慢性腎機能障害の人はどうであろうか?
GFR<70mL/min以下、高血圧非コントロール例、腎生検で重度動脈や尿細管間質病変がある症例では、腎疾患が増悪する可能性は高くなると言われる(Clin nephrol 1994)。
では、妊娠患者の腎生検はどの人に行なえるのだろう?
まずは、血圧コントロールが良好に行えていること。また、凝固異常の併存がないこと。また、妊娠32週以前が推奨はされている。
逆に32週以降の推奨はされていない。
ARBやACE-Iは妊娠中には全期間使用は推奨されていない。これは胎児への影響が示唆されているためである。
妊娠を3期に分けた時に
1期(15週まで):ARBやACE-Iは胎児の心血管や中枢神経系の奇形を起こしうる。
2−3期:使用により胎児のGFR低下をきたし、また肺の低形成などに繋がり、胎児死亡に繋がる。
ARBやACE-Iの他にシクロフォスファミドやMMFも胎児に影響を与えるので、妊娠前には切ることが推奨される。
とすると、今回の症例に関しては、血圧の推移を見ながらではあるがARBやACE-Iを終了し、血圧が上がるようであればα-Methyldopaやカルシウム拮抗薬を用いて管理をする。
そして妊娠に備えるという形にした。
しかし、腎機能が悪い方もいるので妊娠に伴う悪化のリスクは話すことは重要である。
今回調べていてCJASN 2013のケースは一通り学ぶのに勉強になる!一読をお勧めする。
今回も患者さんから一つ勉強させていただいた。ありがたい。
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