2017/08/14

CJASN Attending Rounds+α 治療抵抗性高血圧

 治療抵抗性って一体何だろう? 

 降圧薬が複数種類入ってもなお、血圧高値の患者さんがおり、マネージメントに窮している状況に出会った。さてさてどうしたものか。何か患者さんをベースにしたやりとりを記されている論文はないものか探してみた。そしたら素敵なシリーズを発見した。

 
 CJASN Attending Rounds

 である。知っている方もいるかもしれないが、この特集を読んだ時、衝撃が走った。この特集の価値は単なるお勉強ではなくReal worldを意識し明快に記載されている点にある。目の前の困った患者の問題点と[CJASN Attending Rounds]というキーワードをGoogleで検索するといくつかの論文を容易に見つけることができる。


 なお、そこでも症例が紹介されており、下図の7つのステップで考えようとある(CJASN 2011 6 2301)。






治療抵抗性高血圧の7つのステップ


1 治療抵抗性であると確定させる。


 3種類以上の降圧薬を内服していても、140/90mmHgを超えること。ただ複数回血圧を測定することが望ましい。


2 「偽」治療抵抗性であるかどうかを確認する。


 適切なカフを用いて測定する。適切な休憩(静かな場所で5分以上)の後に測定する。

3 高血圧を起こしうる生活要因を同定する。


 食塩の過剰摂取、体重過多を確認する。

4 高血圧を起こしうる薬剤を可能なら中止する。


 NSAIDs、COX-2阻害薬、ステロイドやESA製剤など血圧をあげうる薬剤が含まれていないかを確認する。

5 2次性高血圧(分類:副腎、腎臓、それ以外)をスクリーニングする。


 OSASも忘れずに鑑別を行う。

6 薬剤での治療(背景にある病態を考え、副作用を最小限にする形で薬剤の併用)


 例えば利尿剤にACEIを足すことで、低K血症をある程度防ぐ。


7 高血圧治療の専門医に依頼する。


 新たな診断、マネジメントを展開できる可能性があるので、このステップまで来たら相談する。



 また以前に、Renal fellow networkでも話題になっていた。なお、追加でより深くResistant Hypertensionを学びたい方はこちら(doi: 10.2215/CJN.06180616)。
 なお, CKD患者での治療抵抗性高血圧に関する論文が、CJASNから発表されており、参考にされる方はこちらより。