2015/09/15

Delta Delta

 AG開大代謝性アシドーシスではΔAG/ΔHCO3を調べてAG非開大代謝性アシドーシスや代謝アルカローシスが混在していないかを確認するが、そのカットオフは1だと習ってきた。

 それが、KSAPをやっていたらHAから電離したH+は細胞外液のHCO3-だけでなく細胞内外のいろんなものにバッファーされるので血中のA-の増加とHCO3-の減少は必ずしも1:1ではなく、ΔAG/ΔHCO3は純粋なAG開大代謝性アシドーシスで1-2くらいだという。

 Referenceは挙げられていたが(KI 2009 76 1239←H-H、BE、Stewart法を比較した難解な論文)該当箇所を見つけられなかった。

 他にも論文(JASN 2007 18 2429)を当たったが、まあ計算式はいろんな仮定に基づいているので現実は理論どおりではないということらしい。この論文は純粋なAG開大代謝性アシドーシスでのΔAG/ΔHCO3は0.8-1.2を目安にしろと言う。

 数字だけでなく病歴や身体所見や経過もみて総合的に判断することが大事なようだ。