体液調節には腎臓だけでなく皮膚も関わっていることが徐々に明らかになっているが、先日JCIに新しい研究結果がでた(doi:10.1172/JCI60113)。皮膚の単球・マクロファージ・樹状細胞は塩負荷に対してTONEBP (tonicity-responsive enhancer-binding protein)を介してVEGFC発現を増やし、リンパ毛細管ネットワークを密にして塩を逃がす(受容体はVEGFR3)。
この研究で興味深いのは、TONEBPノックアウトやVEGFR3を抗体でブロックした群に塩負荷すると皮膚間質のCl-濃度・量は増加したがNa+濃度・量は変化しなかったことだ。その意義は未だ不明だが、皮膚とCl-といえばCFTRもあることだし、今後の研究で「忘れられた電解質」などと言われることもあるCl-と体液保持の関係が明らかになるかもしれない。