2012/12/13

Myeloma

 大学にいると、他科から第一人者を招いてボーダー領域について議論し学べるのがよい。こないだは腫瘍・血液内科からMyelomaと腎についてレクチャがあった。この分野(plasma cell dyscrasia)は範囲が広く、こないだもACKD(Advances in Chronic Kidney Disease、AJKDの姉妹版で隔月発行)が一冊丸々これを特集したほどだ。

 だから部分的に学んだことを書くが、Myelomaにも悪性の程度があって、とくにcancer stem cellというの(CD138陰性)が性質が悪い。こうなると骨髄のstroma(によるRANKLをはじめとする増殖サポート)に依存しなくてもどこでも出かけていって増殖するし、化学療法にも反応が悪い(Cancer Res 2008 68 190)。

 予後因子もさまざまあるが、新しいのはcytogeneticsとPETだった。PETは、医学部で習うwhole skeleton survey(単純X線)では見えない病変もピカピカライトアップして映し出す(Blood 2009 114 2068)。PETで早期発見しTotal Treatment 3(tandem transplantと、bortezomibもthalidomideも使えるものは全部行くケモ)で治療すると予後がとてもよい。もしかしたら治癒例もあるかもしれない(Leukemia doi:10.1038/leu.2012.160)。