2016/10/25

薄切り肉を圧力鍋で茹でる

 東洋医学で医食同源とか身土不二(신토불이、シントブリ)とかいうし、西洋はyou are what you eatとか言うけれども、腎臓内科ほど栄養・食事と深く関わる科もそうないのかなと思う。なかでもリンは、透析であまり除けないのに多くの食品に入っているので、その人ごとにあわせた工夫が必要だ(最近は大手コンビニでもパンや加工食品のリンを減らしているところがある)。

 それで腎臓系で栄養系の雑誌というのもたくさんあって、以前に肉をさまざまな方法で調理することでリン残量が変わるかをみた論文(J of Renal Nutrition 2015 25 504)があった。結果、薄切りした肉を圧力鍋で茹でるとリンがもっとも落ちたという。煮汁は捨てなければならないだろうから、どう味を保つかは別問題だが(フルで論文を読めば提案してあるかもしれない)。

 なお、これは日本の研究だ。見なくてもわかる。薄切り生肉は東アジアの食文化だと思われるからだ。米国のスーパーや肉屋にいっても薄切りした生肉はみない(ハムなどの塩漬け肉、ローストビーフのような調理済みの肉は除く)。東アジア食材店にいけば、ある。どうしてだろう。

 明治時代に日本人の口に合うよう肉をスライスしたのかと思ったが、肉食がもともとさかんな中国や韓国でもスライスしている。なます(膾、회、フェ)とか。お箸でつかみやすいからだろうか(ナイフやフォークは東洋にはなかったと思われるので)。東洋の包丁がスライスにもっとも適しているからだろうか。タレなどの味付けがよく滲みるのだろうか。




2016/10/23

食品添加物の重要性

当たり前かもしれないが腎臓内科医にとってリンはとっても大切である。
特に慢性腎不全にとってリンの管理は重要なことである。医師は薬を使ってリンを下げようとするが食事の管理は本当に重要である。
リンの食事で現代社会では食品添加物が重要な問題である。今回この論文では末期腎不全患者に食品添加物を制限した群(67人)とコントロール群(63人)でRCTを組んでいる。
結果では当初は血清リン値に違いはでなかったが、3ヶ月であれば有意差を持ち制限群での血清リンの低下を認め、70%近くが血清リンが5.5mg/dl以下になったということである。
2009年のJAMAにも同じような結果が出ている(これもRCTで人数は今回のものより大きい)

これに関しては僕たちが教科書的なものから得る知識であり、実際にこのように示されてわかることは、食品添加物の制限は重要であること・また、制限して3ヶ月程度して結果として出てくることである。
自分の目の前の患者さんに制限の重要性を話した時、「数ヶ月で血清リン低下の結果が出てきますから頑張りましょうね」というと少し目標が見えていいのかもしれない。

しかし、自分の知識がないので調べてみたのだが食品添加物(特に今回はリン酸塩)はなぜ必要なのか?
リン酸塩はまず大きく二つに分かれオルトリン酸塩、重合リン酸塩に分かれます。
リン酸塩はカマボコのコシを強くしたり、ハム・ソーセージの保水性・粘着性・膨張性を増したり、練り物・缶詰・醤油・佃煮・ソース・漬物・豆腐・アイスクリーム・酒類・チーズ・中華麺なでの変色防止や風味の工場など広い効果を持ちます。
つまりリン酸塩によって、加工食品の弾力UP、色調改善、保水性UPさせているようです。

リンの過剰摂取はPTH上昇をきたし、リン排泄を促すのと同時に骨粗鬆症もきたすためリンの管理は非常に重要である。
その中で、今回はリンの食品添加物との関連について簡単に書かせていただいた。

ただ、美味しそうというものにはおそらくリンが含まれているんだろうと思うし、自分たちがしっかりと知識をつけて患者さんに教育していくことは重要であると感じる。




2016/10/10

アミロイドーシスについて



今回アミロイドーシスを書こうと思ったのは単純にアミロイドーシスを診療していて、よくわかってないなと思ったのがきっかけである。
アミロイドって自分の身近になくイメージがつかみにくく、イメージがつかみにくいから病気もつかみにくいのかなと思ったので復習もかねて書こうと思った。

・アミロイドとは・・
以前はヨウ素デンプン反応と似た反応をすることからデンプン(ラテン語でamylum)と関係があると思ってつけられたものであるが、本体はある種のタンパク質である。
タンパク質は産生されると特定の形に折りたたまれる(フォールディング)が、この折りたたみの異常(加齢や慢性炎症や遺伝など)が生じると、異常なタンパク質が生じ、異常なものは除去される。
しかし、異常なたんぱく質ができるのが多すぎたりすると除去しきれず疾患の発症につながる。これがアミロイド-シスの根本である。


・歴史:19世紀から知られているが、理解が深まったのはここ数十年といわれている。
アミロイドーシスはまれな疾患であるが、一つには我々の認知不足もあるのかもしれない。そのためにこの疾患の理解を深め、しっかりと患者をみれるようになりたい。



・アミロイドの頭文字:
アミロイドは上にAAやALなどの頭文字がついているが、これは最初のA:アミロイドを意味し、次のAAのAは血性アミロイドA、ALのLはL鎖抗体由来アミロイドを指す。ATTRはトランスサイレチン由来のアミロイドを示す(下図参照)。


図:全身性アミロイドーシスの分類



















・アミロイドーシス:
アミロイドタンパク質は血流に蓄積するため、最終的に臓器や組織に沈着する。結果として生まれるアミロイド線維が、多臓器の障害を引き起こしたり、体内の一部位に局在したりする可能性がある。アミロイドは通常、腎臓、心臓、神経に沈着し、時には肝臓、脾臓、消化管や気道に影響を及ぼすこともある。
全身に沈着するものを全身性アミロイドーシス、特定臓器に沈着するものを限局性アミロイドーシスと呼ぶ。

今回は簡単にAAとALについて述べる。
私が混乱するのはおそらくはどのように産生されるか、疾患をどのように考えるかがわかっていなかったのが一番であると思う。読者の中にはそのような方もいると思うので、少しでも参考になればありがたい。

どこでできる?:ALの前駆蛋白は骨髄で産生されるもので、AAは循環血中の炎症性蛋白であり血中で産生されることが大きく異なる。
→
・ALでは多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症を探すための検査(SPEP,UPEPや骨髄穿刺・生検)をする必要がある。
・AAでは血中でできるので基礎となる炎症を惹起する関節リウマチ、血管炎、Castleman病、自己免疫疾患などを精査する必要がある。

・診断:臨床症状や所見から疑い、組織で光顕でCongo-red染色陽性や電顕でのアミロイド繊維を見つけることである。AAとALは過マンガン酸処理でALは染色性が消失し、AAでは染色性が保たれる特徴を持つ。ただ、ALでも陽性になることがあり、診断には悩むことが多い。DFS染色なども有効とは言われる。
しかし、どの型なんだろうと悩むことは大いにある。そのような症例に当たった際には、病型診断を手助けするために信州大学(支援サービス)や熊本大学(支援サービス)があるので、利用するといいと思う。

今回は論文的なことではなく、自分の復習と情報整理を中心に書かせていただいた。

我々にとってアミロイドーシスは目には見えない疾患であり、多臓器が侵されてくる場合もあり、腎臓内科医として総合的な判断が必要になってくる疾患である。






2016/10/02

IgA腎症の治療って2(扁桃摘出パルスに関して)

前回IgA腎症の治療について書いてみた。
今日は日本で主に行われているIgA腎症に対する扁桃摘出パルス療法について考えてみた。

まず、日本ではアンケート調査で扁桃摘出または扁桃摘出+ステロイドパルス併用療法は65%以上で使用されている。おそらくは扁桃摘出の有効性を実感しているためこんなに高い数字なのであろう。

では、なぜ効くのか?を考えた時にIgA腎症の原因などの病態を把握する必要がある。
IgA腎症はIgAの特にIgA1サブタイプのヒンジ部糖鎖修飾異常(糖鎖異常IgA:GdIgA1(がラクトース欠損IgA1))が増加し、それに対する抗体の産生→免疫複合体の形成し、メサンギウム領域への沈着が生じるmulti hit 仮説が提言されている(JASN 2011 22(10) 1795-1803)。

面白いこととしては、GdIgA1を利用してそれによってIgA腎症を診断しようとする報告がいなされている(PLos One 2014 May 23;9(5))。これが現実化することでの利点としてはアジアの地域に多いIgA腎症を早期に診断することができるという点である。
IgA腎症の診断には腎生検が必要となるが、発展途上国ではそれも満足に行えない地域もあり、採血や尿マーカーで診断がつく時代が来れば個人的には嬉しい。また、後でも述べるがIgA腎症は早期の診断早期治療が大切なので、本当に重要であると感じる。

では、どの粘膜B細胞が作成しているかであるが、注目されているのがGALT(gut-associated lymphoid tissue:腸管関連リンパ組織)、NALT(nasopharynx-associated lymphoid tissue:鼻咽頭関連リンパ組織)である。
GALTに注目したのが、先のNEFIGAN TrialでのNefecon(腸管選択的ステロイド)である。
二つの違いはIgAサブタイプの偏りがありIgA1はNALTに多く発現している。
また、NALTは骨髄との関連がありIgA腎症の発症はMucosa-Bone Marrow Axisの異常が生じているためと考えられている。骨髄に関してはAPRILが話題であり、これの増加がIgA腎症の予後を悪くしているという報告もあり、(Medicine Volume 95, Number 11, March 2016)、これを多く持つものに対して扁桃摘出を行ったほうが効果があるという報告もある。

扁桃摘出パルスに関しては、先日扁桃摘出パルスの元祖の堀田修先生(現在はクリニックを仙台で開業されている)のお話を聞くことができた。簡単にまとめるとやはり大切なのは早期診断、早期治療ということであった。
IgA腎症を血尿主体の時の糸球体腎炎のphaseとそれ以降の蛋白尿が主体になる二次性FSGSのphaseに分けて話してくださった。二次性FSGSの状態ではいわゆる糸球体が焼け跡になってしまっているので、扁桃摘出パルスをしても効果に乏しいというお話を聞き、なるほど理にかなっているなと感じた。焼け跡になってしまってからでは遅いので、糸球体血管炎の早期の時期からの治療開始を推奨していた。ただ、この時期は血尿だけの時期なので日本のガイドライン上も経過観察となっている部分ではあり、患者さんにこのような治療の選択肢を行い納得いただけるようなら行うのもひとつかなと感じた。また、堀田先生のクリニックでは扁桃摘出パルスの他にも鼻咽腔の部分の処置を行ったりなど、本当に全てを前向きに動かれる姿勢の凄さ、考え方の凄さに本当に感銘を受けた。

・扁桃摘出パルスに関しては扁桃摘出とパルス療法はどちらが先でもいいらしいが、扁桃摘出を先行した場合はパルス投与を扁桃摘出から7日後以降に行うとのことであった。また、パルスを先行した場合には6ヶ月以内に扁桃摘出を行うのが原則のようである。

・実際に扁桃摘出パルスは論文などはどうかではあるか
日本では厚労省進行性腎疾患に関する調査研究班・IgA腎症分化会が主体となって行ったランダム化比較試験(RCT)「IgA腎症に対する扁桃摘出術とステロイドパルス療法の有効性に関する多施設共同研究」が行われており、2011年の腎臓学会で中間報告され、寛解率は扁桃摘出パルスが良かったが、尿タンパクなど明らかな有意差が出ていない。最終報告はまだなので今後の報告にこれは期待したい。
海外では中国からのメタアナリシス(Nephrol. Dial. Transplant.26 (6): 1923-1931.)が出されている。これでは、扁桃摘出単独やパルス単独では寛解に至らなかったが、扁桃摘出パルスでは寛解に至ったと報告している。

色々と書いたが、IgA腎症はしっかりと病態を理解し、様々な選択肢から患者さんのニーズに合う治療を選択することが大事である。
今はインターネット社会であり、扁桃摘出パルスに関しても調べ上げてくる人にも出会うかもしれない。そういったときに治療の提示やメリット・デメリットが話せるような医師になりたい。



2016/09/27

IgA腎症の治療って

IgA腎症の治療は2015年にSTOP-IgAN(N Engl J Med 2015;373:2225-36)がNEJMにでて色々衝撃を与えた分野である。
簡単に書くとSTOP-IgANは腎生検で診断されたIgA腎症においてACE-IやARBを用いて血圧を125/75mmHg未満にするなどの支持療法を6ヶ月しても蛋白尿≧0.75g/day以上の症例を対象としたRCTである。
支持療法群と免疫抑制療法併用群と比較している。免疫抑制療法群に関してはeGFRの値(60未満と以上)で異なる治療を行っている。
結果としては明らかな有意差はなく、ステロイド使用群で副作用でステロイド性糖尿病や体重増加のリスクが増加し感染症のリスクが増加した。
つまり、この群(蛋白尿≧0.75g/day以上)でも支持療法しましょうというものであった。

今回、JASNで[Corticosteroids in IgA Nephropathy: Lessons from Recent Studies]というbrief review(doi: 10.1681/ASN.2016060647)があり、よくまとまっていた。

現在のIgANの治療はKDIGO ガイドライン(KDIGO 2012)では
血圧コントロールは, ACE阻害薬やARBで行い,蛋白尿 <1g/dでは<130/80mmHgを目標、
蛋白尿 >1g/dでは<125/75mmHgを目標としましょう!

免疫抑制療法に関しては:3-6ヶ月のACE阻害薬やARBによる治療で、蛋白尿≥1g/dの場合は免疫抑制療法を行いましょう。免疫抑制療法はステロイドを主に使用しましょう
(Pozzi protocol:1gステロイドパルス3回(1,3,5ヶ月目)と隔日投与のPSL0.5mg/kg、
または0.8-1mg/kgの毎日の経口ステロイド内服)となっている。

様々なスタディが免疫抑制療法はどうなのか検証されている。
VALIGA cohort trial(Kidney Int 2014; 86: 828–836)ではRAS阻害薬単独よりもRAS阻害薬+ステロイド投与が蛋白尿>1g/dayの症例にはよく、eGFR<50の症例にもいいのではと言っている。

TESTING study( (ClinicalTrials.gov no. 01560052)はIgANで蛋白尿>1g/dayの症例でeGFRが20-120までの症例を集めステロイド治療(0.8mg/kg経口で2ヶ月でその後6-8か月で減量)の効果を見ている。
この症例では副作用で1.5年で中止になっている。副作用としては感染症である。ただ、ステロイド治療によって蛋白尿の減少含めた腎機能保護には優位に働いたという結果も得られている。

その他現在様々なスタディが進んでいる(直近ではIgANの病態で消化管の免疫の関連があるのではないかということで注目が集まっている、NEFIGAN trial: ClinicalTrials.gov no. 01738035)。これらは今後の結論を待ちたい。

なので、現状のIgANの治療判断としては難しいが、自分はこの論文の作者たちと同じ意見だが、KDIGOのガイドラインがなんだかんだいってバランスは取れていると考えそれを実践している。その中で、患者の状態や年齢を含めて考え、これらのスタディを活かせていけたらなと思う。

次回は日本の扁桃摘出パルスについて触れてみたいと思う。




             
                腎臓はやはり奥が深い。。



2016/09/06

O Captain My Captain

 手を動かして患者さんに管を入れたり抜いたり針を刺したり糸を縫ったりすることを「手技」というが、これは医学用語だからスマホに「しゅぎ」と話しかけても「主義」がでる。「企業会計原則」も「貸借対照表」もでるから、使用頻度の問題だろう。で、手技をあまりしないと非日常なものに感じられてくる。物品をそろえるのも場所を確保するのも一大事で、決められた時間に決められたことをやるという「お仕事感」が乏しい。しかし同じ病院の手術室やカテ室や透視室や透析室では日常的に手技手術が行われている。

 米国内科専門医をとるのに必要なのは末梢静脈ルート5本、末梢静脈採血5回、動脈ガス採血5回、動脈ライン5本、Papスメアと培養提出(婦人科領域)5回だったはず。中心静脈ルートも胸腔穿刺ももちろんやるが、理解して説明できればよく必須ではない。そこには手技は手技の人に任せるという文化があるからで、よく知られているだろうがたとえば末梢静脈の採血や穿刺はphlebotomist(和訳は「瀉血専門医」だの「静脈切開する人」だの追いついてないのでフレボトミストという)がやる。

 しかし、これから頭が人工知能に敵わなくなるかもしれないし、手は動かしていたい。腎臓内科なら透析カテーテル留置と腎生検に満足せず、インターベンショナル・ネフロロジー、とくにVAIVT(vascular access interventional therapy、たぶん和製英語)の世界に出て行きたい。まず末梢静脈、シャント・グラフト、動脈に穿刺ができて、ハッピーキャス®の種類に精通しないといけない(手技のデバイスは商品名でないといけない、そしてその会社の担当者さんがチームの一員としてモノを術場に出してくれる)。

 そのあと、留置用透析カテーテル挿入用トンネラーだの、5Frシースだの0.035インチのホッケー型ガイドワイヤーだの、CONQUEST®バルーンカテーテルだのMUSTANG®(アメリカの野生馬の意味)バルーンカテーテルだの、インデフレーターで16atmを1分だのと言われてわかるようになる。作法も、造影剤を生理食塩水と1:1で割ったら絶対に「ヘパ生(へぱせい、ヘパリン入り生理食塩水)」と間違えないようにするとか、透視室に入る時には透視を出していない時でも必ず放射線防護の服、甲状腺プロテクタ、水晶体プロテクタをつける(いつ不意に放射線が出るかわからない)とか習う。

 しかし一番だいじなのは、手技の術者は艦長や機長といっしょだということだ。とにかく離陸した以上は何があっても安全に着陸しなければならない。手術するからには手術する理由があるわけだから、困難があっても目的を達しなければならないが、目的が変わったときには臨機応変に動かなければならない。どちらも優しいスタッフの協力でやっていける(写真はドラマGOOD LUCK!で航空整備士を演じた柴咲コウさん)。唯一の違いは、機長は乗客と命を共にするが術者はしないということ(燃え尽きや針刺し事故や放射線被曝はあるが)。





2016/09/01

Canons and Apocrypha

 オーストラリア、ニュージーランドはけっこう自前でスタディを組み、その結果が斬新なことが多い。こないだAJKDにでたメタアナリシスも、腎不全患者さんにおいてリン吸着剤と生命予後に「相関はない」というもの(DOI:10.1053/j.ajkd.2016.05.015、日本のスタディもはいっている)。リン吸着剤は心血管病患者さんにおける抗高脂血症薬のようなキードラッグなだけに、真逆な結果すぎてしばらくは無視されるのではないかと思う。
 ただ、カルシウム含有吸着剤が非含有(セベラマーだけで、ほかはサンプル数が少ないためか有意差がなかったが)にくらべて生存率が低いという結果はほかの試験でも確認されているので、非含有の吸着剤が標準的になっていくのかなと思う。個人的には、リン値をmmol/lからmg/dlに変えるときには3.095975倍すればいいというのが発見だった。
 ガイドラインは質の高くないスタディが根拠なこともおおいが、載れば正典だ。ただ載らない外典にも、ある患者層には役立つのかもしれない。たとえば、毎食前に飲まなければないリン吸着剤を1回にしてみても、結構な人たちでリン値がかわらなかったというスタディがある(AJKD 2006 48 437、対象はセベラマー内服の白人とアフリカ系透析患者、平均年齢は72歳)。