2019/09/11

慢性腎臓病外来でサプリメント内服を聞いてますか?

みなさんはサプリメントを飲んでいるだろうか?また、慢性腎臓病の外来でサプリメントの内服の有無を尋ねているだろうか?

こんな患者さんの場合どうするだろうか?

50歳男性、2型糖尿病でコントロールは良好。
インスリンの使用もなく、血清Cr 1.2mg/dLで安定。尿蛋白も尿Alb/Cr 25mg/g

今回定期受診・採血で血清Cr 1.7mg/dLと悪化。尿蛋白は大きな変化なし。特に新規にNSAIDsの使用や抗生剤の使用はなし。

この人にサプリメントは何を飲んでいますか?と尋ねてみると
Fish oil 1000mg/day、 ビタミンC 1500mg/day、 ビタミンB製剤
を内服しているという。

ここで腎疾患の悪化の原因がピンときただろうか?

疾患として想起する必要があるのは
Oxalate nephropathy (シュウ酸塩腎症)
である。

この疾患については以前のブログでも触れている。
病態はシュウ酸カルシウムが腎に沈着したり、尿細管に沈着して障害を生じる。

エチレングリコールの投与はOxalate nephropathyを起こすことが知られているが、ビタミンCも一部が代謝されoxalateの生成に関連する。

そのため、慢性腎不全のひとでは特に高用量(>1-2g/day)のビタミンCの投与はOxalate nephropathyのリスクになりうることを注意しなくてはならないし、我々も注意して聞かなくてはならない(AJKD 2013)(Clin Kidney L 2014)(AJKD 2016)。

また、ビタミンB1であるチアミンやビタミンB6のピリドキシンもOxalateの代謝に重要であることも知っておく必要があり、これらの欠乏がOxalate産生増加に関わることを知っておく必要がある。

下記はOxalateが多めの食事。