こんな患者さんの場合どうするだろうか?
50歳男性、2型糖尿病でコントロールは良好。
インスリンの使用もなく、血清Cr 1.2mg/dLで安定。尿蛋白も尿Alb/Cr 25mg/g
今回定期受診・採血で血清Cr 1.7mg/dLと悪化。尿蛋白は大きな変化なし。特に新規にNSAIDsの使用や抗生剤の使用はなし。
この人にサプリメントは何を飲んでいますか?と尋ねてみると
Fish oil 1000mg/day、 ビタミンC 1500mg/day、 ビタミンB製剤
を内服しているという。
ここで腎疾患の悪化の原因がピンときただろうか?
疾患として想起する必要があるのは
Oxalate nephropathy (シュウ酸塩腎症)
である。
この疾患については以前のブログでも触れている。
病態はシュウ酸カルシウムが腎に沈着したり、尿細管に沈着して障害を生じる。
エチレングリコールの投与はOxalate nephropathyを起こすことが知られているが、ビタミンCも一部が代謝されoxalateの生成に関連する。
そのため、慢性腎不全のひとでは特に高用量(>1-2g/day)のビタミンCの投与はOxalate nephropathyのリスクになりうることを注意しなくてはならないし、我々も注意して聞かなくてはならない(AJKD 2013)(Clin Kidney L 2014)(AJKD 2016)。
また、ビタミンB1であるチアミンやビタミンB6のピリドキシンもOxalateの代謝に重要であることも知っておく必要があり、これらの欠乏がOxalate産生増加に関わることを知っておく必要がある。
下記はOxalateが多めの食事。