あなたの目の前に透析療法を行わないと選択したESRD患者さんがいます。どう診療しますか?(「いや、ちょっと待って、そもそも本当に透析しないの?」という大きいテーマはこの場ではあえて扱わない。)
私なら、正直困って立ち止まる。困る理由の一つは、現時点では質の高い研究がないため明確な方針を決めにくいからである。
そういう時は自分の常識(「ArtとEvidence」などと言うが)を駆使し、患者本人、患者の周囲の環境やQOL を考えながらやるしかない。何か道しるべになるものはないだろうか....そんな時に出会った情報がこれである。
まず総論として4つのステップを踏む(Step1,2がPlan、Step3がManagement、Step4がSupport)
Step1まずは対症療法のみで本当に良いか改めて確認
Step2 ケアプランをプライマリケアの領域で作成
Step3 対症療法の実践 1から6を順に繰り返し実践
Step4 悲哀への対応
Step3の1から6とは次のようなものである。
1臨床的アセスメント:自覚症状とCKDの合併症への対応
2アドバンスケアプラニング:いわゆるACP(Advance Care Planning)を確認する
3地域支援の獲得:往診医、生活の拠点の調整
4急変時の対応を決めておく
5終末期の対応を決めておく
6患者の情報を絶えずアップデート
いかがだろうか?
「とても便利だ。」と私は思った。
普段断片的に考えていることチェックリストで体系的に持つことで抜け漏れも無くなるし、大事なことだと思う。
また各論として、この論文には「積極的な」対症療法についても記載されている。例えばCKDの合併症(血圧、脂質異常症、塩分制限、貧血、代謝性アシドーシス、MBD、高K血症)やESRD患者特有の症状(むずむず脚症候群、掻痒、悪心嘔吐、呼吸困難感、全身倦怠感や睡眠障害、種々の疼痛)についてである。
患者さんの状態は刻一刻と変化していくため途方に暮れることもあるかもしれないが、我々も柔軟に対応していく必要がある。
Hope for the best and prepare for the worst.