(『箸のはしばし』より) |
ではインターベンショナル・ネフロロジーではどうか?基本的過ぎるのか、『バスキュラーアクセス治療学(大平整爾監修、第1版は2013年)』にも、透析学会による『血液透析用バスキュラーアクセスのインターベンションによる修復の基本的技術に関するガイドライン(透析会誌 2002 35 57)』にも、持ち方は書かれていない。
そんなわけで、施設によってさまざまな流儀があると思われる。筆者は最初に「人差し指と中指、あるいは人差し指と薬指を少し離し、その2本の指の腹を橋渡ししたガイドワイヤーの中央部を親指の腹で支える」という方法を習った。が、フルート並みに難しく感じられて、習得できなかった。
(YAMAHAサイトより) |
しかし、ガイドワイヤーの先端を狭窄部の入り口に滑り込ませるためには、図のようにガイドワイヤーを「クルクル」回転させて探る技術が不可欠だ。
なんとかしなければならない・・。啄木先生のように途方にくれ、「働けど働けどなお(わがPTA)楽にならざり、ぢっと手を見る」日々が続いた。
しかし、お箸と同じでとにかく用を足せれば(「クルクル」できれば)よいと思いなおし、通勤中に道の雑草を抜いて「クルクル」していたら、数週間でなんとかできるようになった。
「お箸持ち」や「フルート持ち」のような優美さはないが、難しめの狭窄もわりと楽に越えてくれる、頼もしい「雑草持ち」。もし持ち方で困っている方がいたら、試してみてもいいかもしれない。なお、親水性ポリマーコーティングされたガイドワイヤーはすべるので、持つ部分は寧ろ乾いたガーゼで水気を拭いたほうが「クルクル」しやすい。