2017年7月3日月曜日

がん患者の急性腎不全 2

がん患者にとって急性腎不全は比較的身近であり、また起こすのは避けた方がいいであろうことを前回復習することが出来たと思う。


では、ここから数回に分けて原因について考えていく。
★血液腫瘍とAKIについてまず考える。
血液腫瘍とAKIの関連では、下記の3つの概念で考える。
1:悪性腫瘍関連

2:治療関連

3:その他の原因

で考える必要がある。


これに関しては下記の図が分かりやすい。

ただ、これの他にも起こりやすいものはしっかりと認識しておく必要がある。

☆起こりやすいものとしては、
敗血症、腎障害をきたす薬物など、腫瘍崩壊症候群(特にburkitt's リンパ腫など)、循環血液量減少
などである。

分類に戻って、まず悪性腫瘍関連のものであるが、下記のものに関して説明する。
・腫瘍浸潤
−血液疾患でお越しうるものとしてはリンパ腫や急性白血病などがあげられる。
 リンパ腫の患者の報告で60%と高率で腎臓に浸潤を来していたが、ほとんどのケースは診断されていない。つまり、症状や検査所見で出ることは非常に少ない。
診断は腎生検。

・多発性骨髄腫
−これは過剰産生された単クローン性のガンマグロブリンやfree light chainがcast nephropathy(円柱腎症)、軽鎖による近位尿細管障害、様々な腎炎(軽鎖沈着症、ALアミロイドーシス)を生じたりする。

cast nephropathyは多くの軽鎖が糸球体を通過しTamm-Horsfallタンパク(uromodulin)に結合して生じる。これが生じることで、尿細管閉塞や尿細管糸球体の炎症を生じたりする。

治療において透析の話に関しては以前にここで書いた。

軽鎖による近位尿細管障害は大量の軽鎖が炎症性サイトカイン、酸化ストレス、アポトーシスや繊維化を生じさせる。

次回は、もう少し血液疾患の続きとそのほかの話題に触れていきたいと思う。