2017/07/25

がん患者の急性腎不全 5

今回パート5、6として挙げさせてもらうのは、『抗がん剤と腎機能障害』であり、興味がありつつも腎臓内科医にとってはとっつきにくい部分なのかなと感じる。


では、少しずつ話していこうと思う。
まず、ひとえに抗がん剤と言っても現在は多種なものに分かれている。
抗がん剤を大きく分けると下記の4つに分かれる。
・細胞障害性薬剤
・分子標的薬
・ホルモン治療
・免疫チェックポイント阻害薬


細胞障害性抗がん剤の代表としては
-シスプラチンやカルボプラチンなどの白金製剤
-シクロフォスファミドなどのアルキル化剤
-ゲムシタビンやメトトレキサートなどの代謝阻害薬
-ビンクリスチン、パクリタキセルなどの植物アルカロイド薬
などがある。


分子標的薬としては様々な種類があり、最近話題の薬である。
・VEGF阻害薬:アバスチン、スーテントなど
・多種キナーゼ阻害薬:ネクサバール、グリベックなど
・m-TOR阻害薬:アフィニター、トリセルなど
・EGFR阻害薬:イレッサ、タルセバなど
・BRAF阻害薬:ゼルボラフ、タフィンラー
・MEK1阻害薬:メキニスト
・ERBB2作動薬:ハーセプチンなど
・CTLA4阻害薬:エルボイなど


とてもたくさんあり、少し知識として入れておくのは大事である。


ホルモン治療としては
・ステロイド
・抗アンドロゲン薬:クロルマジソン
・女性ホルモン薬:エストラジオール
・アロマターゼ阻害薬:アナストロゾールなど
・抗エストロゲン薬:タモキシフェンなど
・LH-RHアンタゴニスト:リュープロリンなど


免疫チェックポイント阻害薬としては下記のものがある。値段が高額なものであり、問題とはなっている。

http://answers.ten-navi.com/pharmanews/7342/ より転用




まずは、抗がん剤についての簡単な知識をいれていただいた。
次のパートで抗がん剤とAKIに関して触れていきたいと考える。