2016/02/04

キラキラ

 ATNで無尿になっているとき、高用量のフロセミド(100mgとか200mgとか240mgとかひとによって違うけど;私は日本に帰ってきてからは100mgにしているが)をボーラスして1−2時間の尿の反応をみて、でなければ透析するというプラクティスがある。20mgとか40mgじゃ出るものも出ないよね、という感覚が腎臓内科をやっているとなんとなく身につく。まあ高用量でもでないだろうな、とさっさと見切りをつけて透析を始める理由がほしくて打つことがほとんどなのだが、ときには腎臓が起きたように透明な尿が出ることもある。でもこういうテストに信ぴょう性はないらしいとどこかで読んだ(フロセミドはクリアランスをあげるわけではないので結局透析開始を遅らせるだけで死亡率を悪化させるおそれがあるとか;たとえばAnaesthesia 2010 65 283)。逆に体液減少にともなう腎前性腎不全が戻るかどうかをみるのに、外液を1L入れたけど出ませんとか、出ないので5Lいれてみますとか言われると、2Lくらいがちょうどいいんじゃないかなあ(反応尿があればよし、なければ諦める;ショックで入れなきゃいけない場合は別だが)と思う。これも根拠はないけど、経験的に。いずれのばあいも、反応するときはキラキラ透明な淡黄色がすーっとでて、濁った褐色の尿が滲むように出る時は尿細管が溶けたのをみているだけである。