2018/10/09

ある外来の症例から

 65歳男性。健康診断でクレアチニンと尿酸の高値を指摘され受診。eGFRは45ml/min/1.73m2、尿蛋白・尿潜血は陰性。尿酸値は7.8mg/dl、痛風の既往はない。




Q:高尿酸血症の治療を推奨しますか?


 上記のような症例は日常よく経験されるし、尿酸値をさげてCKDの進行が遅らせられればよいなと思う。FEATHERスタディ(doi: 10.1053/j.ajkd.2018.06.028)は、そんな思いを確信にしてくれるはずの研究だった。

 しかし、2年間観察して介入群の尿酸値を4mg/dlにしっかり下げても、eGFRのスロープに有意差は見られなかった。両群ともにCKDの進行がゆっくりすぎて有意差がつかなかったのだとすれば、患者さんにとってはよかったのかもしれないが。

 ただし、CKD3a期・Cr値が全コホートの平均より低い・蛋白尿陰性などの例では介入群のeGFRスロープに右肩上がりの傾向が見られた。だから、これらの群では尿酸をさげる治療が正当化されやすいかもしれない。

 高尿酸血症の薬にはそれぞれにさまざまな売りと弱みがあるが、そもそも治療するかどうかの部分で「推奨する、しない、いずれのエビデンスも不十分(KDIGOガイドライン)」だ。がっかりされるかもしれないが、治療するにせよしないにせよ、患者さんにはそれを知ってもらう必要がある。