米国で腎臓内科を勉強すると、尿定性検査の意義を軽く感じるようになるかもしれない。もちろん入院中のAKIであれ外来のCKDであれ尿沈査とセットで尿定性はやる。しかし、血尿なら沈査でいくつ見えたか・形態はどうかのほうが重要(色素尿症をうたがっているときは別だが)だし、蛋白尿の半定量的な検査よりもグラムクレアチニン比を重視する。
しかし日本に帰ってきて、尿定性検査の「簡便で、安価で、どこでもでき、半定量的」という強みも意識するようになった。血尿でも蛋白尿でも(-)→(±)→(+)→(++)→(+++)と量が増える(試験紙の色が濃くなる)につれて腎予後が悪いというスタディはいくらもある。最近では、お隣カナダでそのスクリーニングとしての有効性を示すスタディが出た(JASN 2011 22 1729)。