ほんとうに学ぶことは尽きないもので、いままでのトレーニングで「尿所見が正常なfocal pyelonephritis」なんて、正直聴いたこともなかった…。それで「どういうこと?」とClinical Comprehensive Nephrologyを読み返すと、focal pyelonephritisという言葉はなかったが腎膿瘍の項があった。そこには、症状が非特異的で熱だけなことも多いとはあったが、尿培養は陽性なような記載だった。しかし、孫引きした文献(Korean J Int Med 2008 23 140)によれば膿尿は約60%の症例にしか見られなかった。
それからClinical Comprehensive Nephrologyを読んで、腎乳頭壊死(私はanalgesic nephropathyとしてしか知らなかったが、とくに糖尿病患者の尿路感染症に合併するらしい)、気腫性腎炎(糖尿病患者に劇症でおこる、閉塞を機転にすることもあるガス産生菌による尿路感染)、renal malacoplakia(単球系の殺菌能異常が関係した、主にグラム陰性桿菌の慢性感染による尿路の肉芽腫性変化)、黄色肉芽腫性腎盂腎炎(典型的には中年女性の繰り返す側腹部痛や膀胱症状で気付かれる、脂肪の蓄積したマクロファージが腎間質を置換する尿路感染)などの関連疾患を学んだ。