2020/06/18

速報 KDIGO 2020 GNガイドライン案

 KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)と聞けば、腎臓内科医師は必ず振り返る。代表的な腎臓疾患に対するその時点でのエビデンスを集約したガイドラインを作ってくれるからだ。

 様々な分野に対するガイドラインがあり、世界中の多くのガイドラインも参考にしている由緒正しいものである。しかしながら、トピック毎にアップデートの速度は様々だ。

 そんななか、ついに満を持してKDIGO CLINICAL PRACTICE GUIDELINE ON GLOMERULAR DISEASESのpublic review draftが公開された!

 実にKDIGO2012から8年越しの改訂である(もちろん抜粋であり、あくまでもdraftである点には注意が必要である)。項目としては以下があり、どれも魅力がいっぱいである。
 
  1. 糸球体疾患の全体のマネジメント
  2. IgA腎症/IgA血管炎
  3. 膜性腎症
  4. 小児のネフローゼ症候群
  5. 成人の微小変化群
  6. 成人の巣状糸球体硬化症
  7. 感染関連糸球体腎炎
  8. MPGN関連の免疫グロブリンや補体関連腎症
  9. ANCA関連血管炎
  10. ループス腎炎
  11. 抗GBM抗体糸球体腎炎

 特に注目すべきは、どんな点だろうか?一部を紹介すると:

・膜性腎症とMPGN関連のところは、治療のスタイルが変わるだろう。

・ステロイドを用いた免疫抑制療法に対するスタンスが、この8年でだいぶ変化したと感じるだろう。

・IgA腎症に対する扁桃摘出術の記載が変更されたことにも、気づくだろう。

 筆者たちも、これからしっかり目を通したい。なお、まだpublic review draftであるから、上記KDIGOサイトからは(各章についてと、全体についての)コメントやフィードバックを6月30日まで提出できるようになっている。