2016/11/17

クロールって注目度低い? クロール異常について

クロールの異常はあまり無視してしまうことが多いと思う。
かくいう僕もそうである。
今回書くことが、自分の戒めとみなさんの何か診療につながればと思う。

クロールは前述した通り、濃度で見ていることに注意である。

■低クロール血症:98mEq/L未満をいうらしいが大抵は引っかかりそうである。
−起こること
 :ECF低下、細胞内アシドーシス、カリウム低下、重炭酸の産生亢進、血清浸透圧低下

−原因としては
 :代謝性アルカローシス、低ナトリウム、フロセミド、サイアザイド、AG上昇性の代謝性アシドーシス、Bartter syndrome、Cystic fibrosisなどが挙げられる。

なので、低クロール血症から診断できる疾患もあるためしっかりと頭の片隅に置いておく。特にフロセミドなどを使用することでのCl depletion alkalosisは重要な概念であり、ブログ内でも記載してあるので、注意して見ていただきたい。

■高クロール血症:108mEq/L以上をいうが以外に多く周りにいるのではないか。
−原因として
:覚えておいてもらいたいのは、Pseudo hyperchloremiaである。つまり本当は上がっていないが、上昇して見えることである。この原因は臭素中毒やヨウ素中毒がある。
なぜ、臭素などでクロールが高くなるかに関しては測定で用いているイオン電極法では臭素がクロールとしてカウントされてしまい測定上は高クロール血症になる。
日本の市販薬(ナロンエース)などにも臭素は含有しているため、大量内服者は注意である。

:そのほかは、生理食塩水の大量投与、自由水欠乏、AG非開大性アシドーシス(トルエン大量服薬などで急峻な酸の陰イオン増加した場合)などがある。

原因からわかるようにある程度病歴などで鑑別は絞れてくる。
そのため、患者さんの話に耳を傾け、クロールにも注目してあげよう!きっと、僕たちが診断をするのに、情報は多い方がいいので。。