僕は電解質が出来ないながらも好きある。
電解質といえば王道は一価であればナトリウム、カリウムであり、二価であればリン、カルシウム、マグネシウムである。
その中でルーチンで我々が測るクロールについて少し考えてみた。
クロールは細胞外に存在する最も多くの陰イオンであり、高クロール血症はナトリウムと同じように血漿のクロール濃度の上昇と定義されている。
高クロール血症を認めることに弊害はあるのか?
→腎血流量の低下(J Clin Invest. 1983;71:726–35.)、腎臓や消化管の間質浮腫(J Surg Res. 2011;166:120–30.)、重症患者の死亡率の増加(J Crit Care.
2011;26:175–9.)、AKIの患者の回復が悪くなり生存率が低下する(Kidney Int. 2009;76:422–7.)ことが言われている。
では、クロールは濃度を腎臓でコントロールいている。では、腎臓がどのように調整しているのか?
糸球体:クロールは自由に通過
近位尿細管:約60%が再吸収される(S1,S2領域でNaや他の陰イオンが再吸収され、クロールの濃度は上昇し、S3領域で吸収される。もちろん、S1,S2領域でもクロール−anion 高関係があり吸収される)。
ヘンレの太い上行脚:クロールの再吸収に重要な場所である。
遠位尿細管:NCCチャネルでクロールの吸収を行う。
集合菅:重要であり、Naと異なり尿細管と血管の荷電差からクロールの吸収が糸球体傍から生じる。pendrinからもクロールは吸収される。
本当に上記には簡単に記載している。
少し、クロールって意外に重要なんだな?って思っていただけたら嬉しい。
次回は高クロール血症の話に触れたいと思う。