2011/10/12

testable hypothesis

 "Long Interdialytic Interval and Mortality among Patients Receiving Hemodialysis"(NEJM 2011, 365, 1099-107)を読んだ。透析セッションの間隔が開く月曜日(月水金の場合)や火曜日(火木土の場合)に死亡率や入院になる頻度が高いという結論だ。それ自体は「まあそうだろうね」と思う。

 この論文は私がスタッフの先生とscholarly activitiesについて話していたときに取り上げられたので、その観点から学ぶことがあった。第一には、これがUSRDSという米国腎疾患患者の巨大なデータベースを分析したものであること。そういう研究もあるのかと改めて思った。

 この種類の研究はepidemiology、あるいはdata-miningとも呼ばれる。retrospective in natureだが、膨大なデータから問いに対する答えを抽出するのでおおきなpowerが得られる。人々をenrollする必要もないし、fundもそんなに要らないし、公衆衛生や疫学・統計学の人達が助けてくれる。

 第二には、研究はいかに問いを立てていかにその答えを見つけられるかを考える、頭の使いようだということ。たとえばこの論文の問いは、「米国だけ透析患者の生存率が極端に低いのはなぜか」という問いを、「米国の透析患者はいつどのように死亡するのか=それを見つければ死亡率の改善につながるのではないか」と応用できる形に言い換え、「Long Interdialytic intervalが悪いんじゃないか」という仮説を立てた。

 この仮説を検証するにも、いろんなやり方があるだろう。例えば、日曜も関係なくevery other dayで透析した群と週三日の群で死亡率を検証する前向きスタディだって考えられないことはない。でも実現困難そうだし、それならUSRDSのデータベースを解析したほうが手っ取り早い。出生と死亡はpublic record(入院や診断、治療はprivateだが)なので、患者さんの許可なしに手に入れることもできる。

 研究で大事なことは、だから、「検証できる仮説をたてること」「データを集めることのできる質問をすること」と言えそうだ。そうでないと禅問答になってしまう。何にせよこの話のあとで、フェローシップのあいだにまずはデータを解析する力を身につけたいと思うようになった。だから私はおそらくその手のプロジェクトに参画しているだろう。