あまり自分では意識しておらず、これを機に調べて見た。
通常の日本での生検は生検後に生理食塩水に浸したガーゼなどで包んで、病理検査室に持って行き、処理をしてもらうことが多い。
膨化するとしたら、この生理食塩水が悪いのか?とおもったら、本邦で2015年に報告があった(Pathol Int 2015)。
このグループでは、2匹の雄のラットの腎臓を使って研究している。
・一つは生理食塩水に浸した群
・もう一つは低張なソリタT3やソルデムT3に浸した群
である。
10分と30分における所見の変化を見ている。ポイントとしては、電子顕微鏡での変化であるということである。光顕での変化は判断は難しい。
結果としては下記のようになっている。
生理食塩水に浸していた群で膨化の所見が認められている。
もちろん人間の体に全ての適応ができるわけではないが、患者さんから同意を得て腎生検をした組織を僕らの管理の仕方で、missleaingするような形は避けるべきである。
この論文を読んで、組織をとってすぐに病理室に持っていけない場合(30分以上かかる)などは低張液で浸すのがいいなと感じた。
しかし、低張液の小さいボトルなどがあればいいのだが。。
なければ、ブドウ糖と生食で混ぜて作るのもひとつかもしれない。