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2020/01/15

カリウムなんか怖くない?

 スピロノラクトンはRALES(NEJM 1999 341 709)でHFrEF、PATHWAY-2(Lancet 2015 386 2059)で難治性高血圧、エプレレノンはEPHESUS(NEJM 2003 348 1309)で心不全合併の心筋梗塞、EMPHASIS-HF(NEJM 2011 364 11)でNYHA2度のHFrEFにおいて、それぞれ有効性が示されるなど、エビデンスの集まる、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(mineralocorticoid receptor antagonist, MRA)。

 さらに、特許のほぼ切れたACE阻害薬・ARBにつづく「第三のRAA系阻害薬」として、MRAの新薬開発が進む。昨年は非ステロイド系MRAのエサキセレノンが上市され、フィネレノンも海外で治験中だ(FIDELIO-DKDはNCT02540993、FIGARO-DKDはNCT02545049)。

 しかし、MRAもRAA系阻害薬である以上は、高カリウム血症と腎障害が問題になりえる(下表は、添付文書を元に筆者が作成)。




 このうち、高カリウム血症について、新規カリウム吸着薬Patiromer(こちらも参照)の会社(こちらも参照)が「うちの薬をつかったら解決するのでは?」と考えて組まれたのが、AMBERスタディ。その第二相が昨年でていた(Lancet 2019 394 1540)ので、遅ればせながら報告する。

 AMBERは欧州・英国・南アフリカ・米国など10カ国の他施設スタディだ。対象は、eGFRが25-45ml/min/1.73m2(平均35-36)で、カリウム濃度が4.3-5.1mEq/lの難治性高血圧患者が約300人(半数が女性、99%が白人)。うち約50%がβ遮断薬、約70%がカルシウム拮抗薬、ほぼ全例が利尿薬とACE阻害薬ないしARBを内服していた。重曹については、本文には記載がなかった。

 スタディはこうした患者をパティロマー群とプラセボ群にランダム化し、スピロノラクトンが血圧・カリウム値・腎機能によって0-25-50mg/dに調節された(eGFRが4週以上にわたり30%以上ひくければ中止する、など)。また、パティロマー(またはプラセボ)はカリウム値によって0-6包/dに調節され(1包は8.4g)、平均使用量は1包/dであった。

 プライマリ・エンドポイントは介入12週間後の「スピロノラクトン継続率」で、パティロマー群で有意に高く(86% v. 66%、p<0.0001)、50mg/d内服できていた割合も高かった(69% v. 51%、有意差の記載はなし)。予想されるように、プラセボ群では5.5mEq/l以上の高カリウム血症が多く(約60% v. 約30%、有意差の記載はなし)、スピロノラクトン中止理由の約2/3を占めていた。


 エンドポイントや有意差がやや商業的な感は否めないが、ともかくこれで、オオカミならぬ「カリウムなんか怖くない」、だろうか(下図は1933年のディズニー映画『三匹のこぶた』で、レンガの家を作る1匹を残りの2匹が笑う歌、"Who's Afraid of the Big Bad Wolf")?


(出典はこちら)


 そうであってほしいが、いくつか懸念される点をあげておく。たとえば、カリウム吸着薬による消化器症状や消化管穿孔(こちらも参照)は大丈夫か?AMBERでは(新規吸着薬なだけあってか)下痢に有意差がなく、消化管穿孔の報告もなかったようだが、より長期の使用では注意が必要だろう。

 次に、RAA系阻害薬を重ねることによる腎機能障害は吸着薬で解決しないのでは?AMBERでは、どういうわけか12週時点でのeGFR低下はプラセボ群のほうが多かった(2.1 v. 1.4ml/min/1.73m2、有意差の記載はなし)。「ACEI/ARBとMRAの併用」は「(NEPHRON-Dスタディなどで腎機能障害が問題になった)ACEIとARBの併用」などと違う、というのならよいが(これについては論文でも考察されていなかった)。

 最後に、吸着薬を使ってでもMRAを加えたほうがよいのか?という根本的な疑問。じつはAMBERでは、MRAの継続率の高いパティロマー群と、継続率の低いプラセボ群で、12週時点の血圧に有意差はなかった。冒頭の各種スタディからは、「同じ血圧でも、MRAを加えたほうが心予後や生命予後が良さそう」とも類推されるが・・。


 新規カリウム吸着薬は日本でも治験中だし、そのうち認可されることだろう。またMRAも、フィネレノンなど今後も新たに認可されるかもしれない。新薬がふえるのは結構だが、どのように治療に取り入れるか。こうしたスタディを他山の石として、今から慎重に考えておきたい。

 
 
(こちらより改変)

2019/11/06

ハイジニストからの忠告

 54歳男性。高血圧のため、4年前からニフェジピンを内服している。2年前から歯肉増殖を自覚していたが、徐々に増悪して歯列不正・歯肉出血も見られるようになったため、口腔外科を受診。

 前歯部切縁が接触しないほどの歯列不正、 歯周ポケットの開大(平均8.3mm)、すべての検査部位でプロービング時に歯肉から出血、3本を除くすべての歯に動揺あり。歯周基本治療に加えて、降圧薬選択に関して内科対診を依頼。


Q:どうしますか?


 冒頭の症例報告(日歯周誌 2007 49 55)は、2006年の日本歯周病学会春季学術大会で記念すべき第一回「ベストハイジニスト賞」を受賞しているので、すでにご存知の読者もおられるかもしれない。

 カルシウムチャネル拮抗薬(CCB)といえば、「他クラスにくらべて心保護・腎保護といったエビデンスは目立たないが、副作用が少なくて使いやすい薬」というイメージをお持ちの方が多いだろう。

 しかし、歯科口腔外科領域では様相が異なる。そこでは、歯肉腫脹を起こす三大薬物として、抗けいれん薬(有名なのはフェニトイン)・シクロスポリンの次に、CCBが挙げられているのだ(Mayo Clin Proc 1998 73 1196)!写真は前掲論文PDFなどで確認されたいが、審美的にも機能的にも極めて重大な問題だ。

 CCBのなかでは、第一世代で脂溶性の高いニフェジピンに歯肉腫脹の報告が最も多い(38%、Ann Int Med 1994 120 663)。しかし、頻度は低いものの、アムロジピン、ベラパミル、ジルジアゼムなど他薬でも(ジヒドロピリジン系かを問わず)みられる。①男性、②歯周・口腔内の不衛生、がリスク因子に挙げられる。

 機序として、線維芽細胞で細胞内へのCa2+流入が起こらず、コラーゲンを分解するコラゲナーゼ産生が低下する、などと言われるが、詳細は分かっていない。炎症や、線維芽細胞の増殖に関する、さまざまな因子が研究されている(J Hum Hypertens 2014 28 10)。

 治療は、一番は歯周基本治療のようで、ニフェジピン性歯肉増殖症を「薬剤変更なしに非外科的に改善した症例」といった報告も存在する(日本歯科評論 2006 759 149)。冒頭のケースでも、著者は「Ca拮抗剤を服用中の患者においても、十分な口腔衛生管理が行われれば歯肉増殖の予防は可能」と考えている。

 しかし、内科医がこのような対診を受けたら、他クラス降圧薬か、さもなければニフェジピン以外のCCBにしてはどうかと思われる。

 そもそも「ゼッタイにニフェジピンでなければダメ」という症例はそんなに多くない。27週妊婦の妊娠高血圧症であっても、ニフェジピンで歯肉増殖が起きたあとはメチルドパに変えた報告があるほどだ(変更後に歯肉増殖は軽快、Curr Drug Saf 2017 12 3)。


 CCBは使いやすく安全性も高いクラスであるが、確率は低くても頻用されているので、掛け算すれば歯肉増殖症例はかなりの数いるのかもしれない。そして、内科医が知らぬ間に、ハイジニスト達のもとへ駆け込んでいるのかもしれない。

 筆者は正直、CCBに歯肉腫脹の副作用があることすら知らなかった。もしそんな読者が他にもいたら、CCB処方時には、①ニフェジピンでなければダメか、②患者の歯周衛生はどうか、そして③数ヵ月後に増殖がないか、くらいは確認されるとよいだろう。






[2020年2月26日追記]日本内科学会雑誌の「一目瞭然!目で診る症例」にも、カルシウム拮抗薬にともなう歯肉増殖が載っていた(日内会誌 2020 109 317)。お手元に2020年2月号が届いた方は、そちらも参照されたい。



(Great Minds Think Alikeの略です)



2019/05/24

慢性腎不全における高血圧治療 (降圧をなぜするのか?目標は?)

よく臨床で疑問に思いつつ、本当にこれでいいのかな?と思いながら治療をしているのがこのテーマではないか?筆者もその一人である。この薬をこの人に使って正しいのか?標準化されているものかなどよく考えてしまう。

2019年に本邦では高血圧ガイドラインが刷新された。下表は各ガイドラインの比較のものになる。


日経メディカルより引用


 これをみてみると高血圧の目標基準は全体的に厳しくなっている。高血圧治療には日常的に最も関わるし、治療の方法を知っておかなくてはならない。

 一般的な高血圧治療はガイドラインに譲るとして、今回はCKDやESKDにおける高血圧治療についてみていこうと思う。

・降圧目標:

 降圧目標に関しては、本邦では蛋白尿の有無により目標値が異なってはいるが原則130/80mmHgを目標に治療をしていく。

・なぜ治療するか?:

 これに関しては、高血圧治療がCKD、ESKD患者の心血管疾患予後を改善することがわかっている(NEJM 2015、Hypertension 2009)。

 ただ、大規模コホート試験でCKD患者のうち60%の患者は3種類以上の降圧薬を必要とする場合が多いことがわかっている(AJKD 2010)。

→もちろん塩分制限などの一般的な生活改善も必要ではあるが、降圧薬の使用は非常に重要である。

 今回は、CKDやESKDにおける降圧薬でどのようなものを使うのがいいのか?その悪影響はどんなものが出るのか?を少し触れていきたいと思う。

 つづく。

2019/05/02

ARBの教訓

 昨年このブログに、ACE阻害薬と肺がんの関連について投稿されたのを覚えておられる読者もおられるかもしれないが、今度はARBと発がんについての論文がニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに投稿された(NEJM 2019 380 1589)。

 日本では第一選択のARBだが、他国では「一世代前のACE阻害薬とちがってプラセボと比較した大規模試験が少ない」、「ACE阻害薬と同等の効果なら、高価なARBは第二選択にすべき」などの批判もある。

 しかし、咳や血管浮腫の副作用がみられないなど、少なくとも安全性はACE阻害薬よりも高いと一般に考えられ、日本以外の国々でもその使用は着実に増えている。

 そんなARB製剤が、米国で2018年7月から2019年3月までの間に20種類も次々とリコールされたのだ!リコールの理由はARB自体ではなく、原薬生産過程で混入したNDMA(N-ニトロソジメチルアミン)、NDEA(N-ニトロソ-N-ジエチルアミン)、NMBA(N-ニトロソ-N-メチル-4-アミノ酪酸)だった。

 ここまでくるともはや一騒動であり、論文のタイトルも、"Hypertension Hot Potato"(「熱くてやけどするので誰も触りたくない問題」という意味、写真)。社会への影響をよく言い表している。






 「ARBを飲み続けていいのか」「必要な患者はどうすればいいのか」「どの会社のが問題なのか」「発がんリスクはどれくらいなのか、閾値は妥当なのか」「ARB以外の薬にも混じっているのではないか」・・・といった不安。さらに、FDAが原薬を生産する中国の浙江華海薬業を名指ししたことで、時節柄、外交問題の様相もみせはじめている。

 しかし論文は「FDAと医療界はこれをよいストレス・テストにしよう」と締めくくる。

 たしかに、薬の生産過程・供給過程の多様化は時代の流れだ(日本でも「海外工場が閉鎖したのでこの薬は採用がなくなります」といった話がふえた)。今後ますますチェック機構の充実が望まれるし、医療者も「自分の処方する薬に含まれるのは、薬だけではない」という認識があらためて必要だと感じた。

(写真は、「手にした薬ではなく、薬を渡す手が患者を癒す」という作者不明の引用句をイメージしたもの。最新刊『医のアート ヒーラーへのアドバイス』第2章も参照)




[2019年5月23日追記]薬の生産過程・供給過程の多様化は時代の流れと書いたが、たとえば韓国の英字紙Korea Timesによれば、このほど韓国がEUから原薬輸出のwhitelistを得た。これで、韓国の原薬企業はEUに煩雑な審査や書類なしにEUへ製品を輸出できる。

 韓国は原薬など医療分野を経済の柱にしようとしており、忠清北道のオソン(五松)にバイオ企業を集約してもいる。なお韓国が原薬でwhitelistを得るのは7地域目で、それにはもちろん日本も含まれている。

 こういうことは、やはり国外に出ないと見えにくい(写真は、高層ビルが立ち並ぶソウルの政治・金融・マスコミの中心地、ヨイド)。

 


2018/12/02

Na摂取が高血圧の要因になる!なんで??

 投稿の日は僕の大好きな電解質セミナーが開かれている日なので、今日は電解質に関しての投稿にしようかなと思います(ほぼ電解質ではないですが。。)。

 まず、高血圧は成人の中で4300万人が罹患しているとされている(本邦で)。

 高血圧単独で亡くなることは少ないが、高血圧は心血管疾患の最大危険因子であり、脳卒中・心血管死亡の半数以上が高血圧に関連すると言われている。




 高血圧の原因でよく言われるのが塩分摂取過剰である。

 特に、この塩分摂取に伴う高血圧は日本人では起こりやすいと言われている。

 この原因としては

 以前は

 塩分摂取過剰→腎臓からの尿中へのNa+排泄が追いつかず体液中Na+上昇→血液浸透圧の上昇→血管内に浸透圧勾配で水の流入→血液量が増加し高血圧

 最近は

 全身の血管の交感神経の活性化→血管収縮→高血圧を発症

 という説が有力になっている。

 この最近の説は降圧薬の機序を考えてもCa拮抗薬などは血管拡張作用があり、理にはかなっている。

 ただ、交感神経活性化はどこで感知しているのか??というのが今まで未解明であった。


体内のNa濃度上昇→??→交感神経活性化


 今回日本人のグループがこれを解明して論文に報告されていたので簡潔に記載しようと思う。ぜひ、論文を読んでくださいね。

 まず、キーワードは

・Nax:

 ナトリウムチャネルの一つで細胞外ナトリウム濃度の上昇に応じて開口し細胞内にナトリウムを流入させる機能を持つ。

・OVLT(終板脈管器官):

 脳内器官の一つで交感神経や血圧の制御に関与。

・PVN(視床下部傍核):

 脳内器官の一つで同様に交感神経や血圧の制御に関与。

・ASIC1(酸感受性イオンチャンネル1):

 細胞外のpH低下に反応して開口する陽イオンチャンネル

 わかりやすい図として、今回の論文のキーになるものを下図に示す。





 もともとこのグループは細胞外液Na+濃度上昇に応じて開口するNaxを見出していた。

 その後、Nax欠損マウスでは脳脊髄液のNa+濃度を上昇させても交感神経活性化や血圧上昇は起こらなかった。

 →Naxが脳内センサーとして関連しているとわかった。

 では、どの領域で起こっているのかと言うことを次に調べた。

→結論として、OVLTのグリア細胞に発現するNaxが活性化しH+が放出され、ASIC1を開始OVLTニューロンを活性化し交感神経上昇し血圧上昇に関連していることがわかった。また、OVLT→PVN→RVLM(頭側延髄外側野)→脊髄でも同様に交感神経活性化することがわかった(上図参照)。

 今後ここから発展することとしては、降圧薬開発なのではないか?

 交感神経のブロック薬や新規の薬が高血圧治療に出てくる可能性がある。

 是非、Twitterもフォローしてください!

 https://twitter.com/Kiseki_jinzo







2018/11/11

Kir

 クイズです(写真は1992年まで日本テレビ系列で放送された、アメリカ横断ウルトラクイズ)。




出題者:生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病とする患者について、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を 行うことを評価したもので、厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者に対して、治療計画に基づき、服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行った場合に、月2回に限り算定できるのは・・・

回答者:「特定疾患療養管理料(ただし許可病床数200 床以上の病院においては算定できない)」!

出題者:ですが、カリウム摂取で血圧が下がるのはなぜでしょう?

回答者:・・・。



 カリウム摂取と血圧の関係は疫学で証明され(NEJM 2014 371 601)、クリニックで高血圧の患者さんに「野菜を摂りましょう」といえば上記加算も取れるだろう。しかし、そのメカニズムはどうか?

 アルドステロンなどさまざまな要素が関与しているので全貌は分かっていない。ただ、米国腎臓学会の小部屋でおこなわれたWNK(以前も何度か紹介した)セッションに出て、遠位尿細管の間質側にあるKirチャネルがWNKを制御しているらしいことがわかった(写真は辛口白ワインに甘いカシスリキュールを加えたフランスうまれのカクテル、Kir)。




 Kirチャネルはカリウムチャネルで、irはinward rectifying(細胞内への一方通行)の略だ。脳で発見されて(初期論文のひとつはNature 1993 362 127)以来、多くのスーパーファミリーが見つかり、さまざまな場所で発現していることがわかっている。

 腎臓もそのひとつで、たとえば有名なROMKはKir1.1だ。遠位尿細管の間質側にはKir4.1(遺伝子KCNJ10)とKir5.1(KCNJ16)でできたヘテロ4量体があり、これが血中カリウム濃度を感知していると考えられている。そして、血中濃度がたかいとNCC発現が下がり(下図紫線、JASN 2017 28 1814)、ナトリウム再吸収が落ちる。



 Kir4.1遺伝子を腎臓に限りノックアウトするとどうなるか?Kir5.1のヘテロマーはカリウムを通さないこともあり、カリウムセンサーの働きが失われる(上図赤線)。なぜ腎臓に限りノックアウトするかというと、けいれんを起こしてしまうからだ。

 この遺伝子異常はヒトでも知られており、EAST症候群(Epilepsy, Ataxia, Sensorineural deafness, Tubulopathy)と呼ばれる(NEJM 2009 360 1960)。NCC発現が減るのでGitelman症候群に似て低K血症、アルカローシスをきたす。

 Alport症候群(治験の話はこちら)、Pendred症候群、ループ利尿薬、シスプラチン、アミノグリコシドなどほかにも耳と腎臓に影響する疾患はあるが、EAST症候群もそのひとつとして覚えておきたい。
 
 Kir5.1をノックアウトすると、Kir4.1のホモ4量体はヘテロ4量体と異なりpHに関わらず恒常的にカリウムを通すので、NCCが過剰発現になる(JCI insight 2017 2 pii92331)。その結果、Gitelmanのミラーイメージ、FHHt(Gordon症候群)にちかい病状となる(整理されたものはこちら)。

 さらに、間質側のKirが、どうやって反対側(内腔側)のNCC発現を制御しているのかについての話もあった。下図(PNAS 2014 111 11864)にあるように、細胞内クロール濃度、SPAK、KS-WNK1などが関与しているようだが、それはまた。






 遠位ネフロンのイオンチャネル研究といえば、もとは腎臓内科の花形(いまは、近位尿細管や腸管のほうが流行りではあるが)。高血圧の健康と社会への影響の大きさを考えても、今後の発展と応用が期待される。


2018/07/15

最新の高血圧ガイドラインを振り返って 2

 今回は少し具体的な数字と我々が悩ましい分野について触れたいと思う。

 個人的に悩ましいなと考えるのが妊娠と高血圧である。

 カナダのガイドラインにおいても、この妊娠と高血圧の部分に関しては別の論文に記載されている。

 妊娠と高血圧に関しては、まずは2つの論文がキーの論文となる。

 一つはCHIPS(Control of Hypertension in Pregnancy Study)である。

 →これは、拡張期血圧を100mmHg未満とtightではないものと85mmHg未満とtightにした
 ものと比較したものである。この研究では、血圧のコントロールが悪いものでは、胎児
 の出生体重、早産児、前子癇、血小板低下、肝機能上昇、入院期間などで優位差を持っ
 て大きかった。

 →血圧のコントロールの重要性が示された。

 もう一つはこのCHIP trialのsecondary analysisであるが、上記の血圧コントロールを行う場合に薬剤をラベタロールで行う場合とメチルドーパで行う場合を比較している。

 →結論としては、薬剤でどちらがいいかの有用性に関しては、示されなかった。

 薬剤の際にいつも迷うのがカルシウム拮抗薬はどうなのか?

 →日本の高血圧ガイドライン 2014では妊娠20週以降であれば、メチルドーパ、ヒドララ
  ジン、ラベタノールに加えて、ニフェジピンも第一選択にいれてもいいとしている。

 しかし、長時間作用型のニフェジピンは様々なトライアルやsysytematic reviewで安全性や効果が証明されてはいるが、安心して過度に使うのは良くない。

 カナダのガイドラインでは下記の指摘を行っている。

 ・収縮期血圧≧140mmHgか拡張期血圧≧90mmHgで妊娠中の人は降圧薬の開始を検討する。
 ・最初の降圧薬は単剤で。降圧薬としては経口ラベタロール、経口メチルドーパ、長時間作用型の経口ニフェジピンや他の経口β拮抗薬を推奨している。
 ・単剤でも十分な降圧が得られない場合にはfirstlineの薬剤を併用して用いる。
 ・その他の降圧薬(ヒドララジン、サイアザイドなど)はsecond lineとして考慮する。
 ・ACE-IやARBは妊娠中の患者では使用するべきではない。
 ・収縮期血圧≧160mmHgか拡張期血圧≧110mmHgの妊娠中の人はugentの降圧治療を必要とする。

 最後に2018年のESH/ESCもガイドラインを出しており、それをまとめたものを表で掲示する。

 これを見ていると全世界に衝撃を及ぼしたACC/AHAの2017年度のガイドラインもうまく踏襲しながら、各国でガイドラインを設定している。

 やはり心血管リスクがある症例ではしっかりと降圧を行うことが推奨されている。





 日本のガイドラインもどのようになるかは非常に楽しみである。



2018/07/11

最新の高血圧ガイドラインを振り返って 1

 ご無沙汰しております。

 今日は高血圧のガイドラインについて最新のものを含めて話したいと思う。

 現状の最新(2018年7月現在)のガイドラインは日本のはまだ発行されておらず、2014年のが一番新しい。

 この1〜2年は高血圧診療に関しては世界的にも大きく変わったことは非常に重要な事実である。

 今回は2018年に出たカナダの高血圧のガイドラインを中心に話す。




 まず、血圧測定方法に関してはAOBP(Automated Oscillometric Blood Pressure)という方法が推奨されている。

 では、AOBPとはなんなのか?についてだが、これは「医師や看護師のいない状況で、血圧計内蔵のタイマーを用いて5分間安静にした後に,1分間隔で3回測定する」ものである。
これをすることのメリットは患者の不安の軽減、測定者による測定経験や誤差の軽減につながると言われている。

 この方法が、この高血圧診療を変えている論文の測定方法に用いられている。SPRINT trial、ACCORD trialはこの方法を用いられている。

 では、この測定が用いることができる血圧計としては

 BPTru ( カナダ、入手できなくなる )
 OMRON HEM 907XL (SPRINTでも使用された、日本でもおなじみ)
 the MicroLife WatchBP Office (台湾 )
 the PRO BP2400

 がある。

 測定場所に関しては、ガイドラインではGrade Cではあるが手首より上腕での測定が推奨されている。

→ただ、全例が手首の測定がダメというわけではない。

 特に肥満患者には、上腕の測定時に腕に比して血圧測定部分が細く狭くなりやすく血圧上昇をしやすくなってしまう。そのため腕での血圧測定が推奨されている。

 これは、カナダのガイドラインでもGrade Dではあるが推奨されている。

 では、ABPM(Ambulatory BP monitoring:24時間血圧測定器)とAOBPはどちらがいいのか??

→これに関しては、カナダのガイドラインではABPMや家庭血圧測定が患者のフォローアップ血圧にはいいということがGrade Dではあるが推奨されている(白衣高血圧のため)

 このABPMかAOBPの比較に関しては2017年にsystematic reviewが出されている。これによるとAOBPはABPMに取って代わることはできないとなっている。

 一つ話題にもなっているneprilysin阻害薬について触れたいと思う。

 これは、収縮機能低下の心不全患者さんに対する薬物として2014年のNEJMで注目されたものである。

 neprilysin阻害薬:ナトリウム利尿ペプチド,ブラジキニンなどの血管作動性ペプチドを分解する酵素である、neprilysinを阻害し、分解を妨げることで血管収縮やナトリウム貯留、リモデリングなどをもたらす神経ホルモンの過剰な活性化を妨げる。

 2014年のNEJMでは、収縮力低下の心不全患者に対してアンギオテンシン受容体拮抗薬とNeprilysin阻害薬の合剤(ARNI:angiotensin receptor blocker-neprilysin inhibition)が死亡および心不全による入院のリスクが有意に低かった。

 カナダのガイドラインでは、Grade Aで適切な治療(β阻害薬やACE-I/ARBなど)をしているにも関わらず症状の残っているような収縮力低下(EF<40%)の心不全患者にARNIの使用を推奨すべきとしている。

 その際に、副作用のことも考えてこれもGrade Aで血清K<5.2mmol/L、eGFR≧30ml/min/1.73m2の人に使用することが推奨されている。

 次は実際の数字の比較などをしたいと思う。

 ただ、我々もどうしても数字に目が行きがちにはなるが、それがどのようにして測定されたか?を常に考えてあげることが重要である。






2018/02/07

腎移植後の高血圧~どのようにして治療する?~

まず、腎移植後の高血圧に関しての血圧管理目標については、2017年度のACC/AHAのガイドラインでも130/80mmHg未満の推奨である。


降圧目標に関しては、ACC/AHAのガイドラインが新しくでて、日本のガイドラインも今後反映されるかもしれないが分かりづらいので下図を添付する。

Neph JCより引用
高血圧の患者の治療にあたって、まずは
①カルシニューリン阻害薬の内服で血中濃度はどうか?を確認する。
②薬剤でのコントロールを行う。
・カルシウム拮抗薬(CCB)
第一選択として好まれることが多い。
理由:降圧効果が確立しており、CNIによる血管収縮を最小限にするため。
Up To date より
カルシウム拮抗薬については2009年のsystematic reviewでも効果が証明されている。
この報告ではプラセボ、ACE-Iに比べて降圧効果としてはCCBが一番効果があったというものである。
カルシウム拮抗薬はジヒドロピリジン系と非ジヒドロピリジン系に分かれ、特に非ジヒドロピリジン系に関しては薬剤との相互作用に注意をする必要がある。
-ジヒドロピリジン系:アムロジピンヘシル酸塩、ペルジピンなど
-非ジヒドロピリジン系:ジルチアゼム塩酸塩、ベラパミル塩酸塩など


非ジヒドロピリジン系に関してはCYP3A/4の阻害を行う。
CYP3A/4はCNIやmTOR阻害薬の代謝に重要であり、非ジヒドロピリジン系の使用で血中濃度が上昇してしまうので注意する。


・ACE-I、ARB
追加薬として使用は検討すべきである。動物実験レベルではあるが、シクロスポリンによる腎症の予防に働く。
ACE-I/ARBに関してはCKDには有用であることが証明されているが、移植後の有用性の証明は乏しい。そして、いくつかの良くない点も指摘されている。
a)シクロスポリンとの併用で腎血管への影響を来し、GFRの低下をおこす。
b)シクロスポリン/タクロリムスは尿中K排泄低下を来し、高K傾向になりやすく、ACE-I/ARB使用でさらなる高Kになるリスクがある
c)ACE-Iによって移植患者の貧血を惹起する(5-10%に生じる)。それがシクロスポリン内服で顕著化する。

いい点としてはARBによって移植後の尿酸低下をもたらし痛風の予防や降圧・タンパク尿減少に役立つ。

なので、ACE-I/ARBは使用するにしても移植後すぐではなく、3-6か月以上たって安定した状態のほうが望ましい。

薬剤に関しては、やはり薬剤相互作用をしっかりと確認しておくことが非常に重要である。それに関しては、下の表を参考にしていただきたい!
JASN 2015より

移植の高血圧管理は非常に重要である。
レシピエントにとってもドナーにとっても腎臓は非常に大切であり、我々もしっかり高血圧の管理を知っておくことが重要である。







2018/02/01

腎移植後患者の高血圧 〜まずはしっかりと理解!〜

腎移植後に高血圧で悩むことは多い。
報告では、大人では50-80%の頻度で生じ、子供では47-82%に生じるとされている。
特に高血圧のコントロールができないと心血管死亡率や移植腎生着率の低下につながる。

なので、しっかりと血圧コントロールを行うことは非常に重要である。

★血圧を上げるリスクファクター
・体重の増加
 →移植後もしっかりと体重コントロールを継続することが重要である。

・腎動脈狭窄(TRAS :transplant renal artery stenosis)
 →移植後どの時期に生じてもいいが、多くは移植後3ヶ月〜2年の間に生じる。生じる
  リスクとしては、手術が困難の場合・強い動脈硬化・サイトメガロウイルス感染・
  腎機能の回復が遅いものがある。
  診断:血管造影、腎血管エコー、MRI検査やCT検査が用いられる。腎血管エコーでは
                   最大収縮速度≧2.5m/secが感度・特異度が非常に高く相関性がある。
  治療:血管形成術や手術。血管形成術でバルーンを広げるだけで80%の狭窄例で成功
     するが20%で再狭窄をきたす。ステントを置く症例は狭窄を繰り返す症例に
     用いる。外科手術は成功率は60-90%程度であるが、再狭窄を10%に認める。

・拒絶(急性拒絶反応・抗体関連拒絶反応など)
 →タンパク尿・血尿などの尿検査や腎機能なども含めしっかりとしたフォローをする。

・薬物(ステロイド、カルシニューリン阻害薬)
 →ステロイド:通常は容量をすぐに落とすので慢性的な高血圧になるリスクとしては低
  い。RCTでも5mgのステロイド維持量とステロイドなしの群で比較しても差が出なかっ
  たという報告がある。
 →カルシニューリン阻害薬:シクロスポリンとタクロリムスではシクロスポリンの方が
  高血圧の合併症は高い。機序としてはRAA系の増加は一因である。シクロスポリンで
  は全身の血管抵抗や腎血管抵抗の増大を生じさせることによって高血圧を生じる。ま
  た、両薬剤ともNa再吸収を亢進させNa貯留を起こす。

AJKD 2011

腎移植直後は患者さんは体液過剰の状態にあり高血圧は、自然に利尿がついて体液過剰が改善すれば高血圧のコントロールもできてくる。

今回は、移植後の高血圧に関しての前半の部分に触れた。次は治療はどうするかを触れたい。


2018/01/05

あなたのネフロンを数えましょう 2

 ネフロンというのは便利な言葉過ぎて、言い換えるのが難しい(filtering unitという言葉を使ったこともあるが)。だれが名づけ親なのだろう?ネフロン発見の歴史は以前に書いた(Adv Physiol Educ 2014 38 286も参照)が、ここに登場する誰かが名づけた、という確証はないようだ。ニュートリノ(写真は2008年『グラン・トリノ』)のように、発見される前から想定されていたのだろうか。



 さて、そのネフロンは「ひとつの腎臓に約100万個」と教わるが、これらはむかし酸によるmaceration(浸して柔らかくすること)、立体解析などを使って数えたものでバイアスが多かったらしい。その後fractonator-sampling/dissector-countingというより正確な方法ができたが、これは献体腎のネフロンを体外で解剖的に数えるもので臨床応用は難しかった(以上、Brennerの教科書より)。

 そこで、腎生検と画像を組み合わせて掛け算する方法が試みられたが、当初イヌにMRIを行なった(KI 1994 45 1668)ときには精度が悪かった。だから前回紹介した論文(NEJM 2017 376 2349)はヒトでネフロン数を体内でかぞえた、画期的なものだった。数をかぞえただけでも大変なことだったのだ。

 さて、そのネフロン数にはどんな意味があるのか?

 これについての仮説で、「ネフロンというのは天からの大事な授かりものだ(から、自分の持って生まれたネフロンを大切に)」という考え方をネフロン・エンダウメント(endowは授けるという意味)という。その根拠としてよく挙げられるのは、ネフロンが少ない低出生体重児と高血圧の相関だ。出生体重が1kgすくないと、収縮血圧が数~10数mmHg高い関係がある(J Hypertens 2000 18 815)。

 とくに出生後「追いつくように」体重が増えた群で思春期・成人期に高血圧にになりやすく、これについてネフロン・エンダウメント仮説は「ネフロンが少ないのに負担が増えるから血圧が上がる」と説明する(「腎虚」の証とでも言えようか)。

 また高血圧家系のドナーから腎移植をうけたレシピエントは、高血圧家系でないドナーから受けたのに比べて高血圧になりやすいというイタリアの論文(JASN 1996 7 1131)もある。免疫抑制剤にCNIを使っていない頃のデータだが、ステロイド量や腎機能などを考慮しても差が見られた。

 この論文は「腎臓と一緒に血圧も移植している」という刺激的なタイトルがつき、当時は話題になったようで、さらにドイツでネフロン数と高血圧の相関を示した論文(NEJM 2003 348 101)もでている。あくまで相関なので、ネフロンが少ない→高血圧だけでなく、高血圧→(糸球体硬化)→ネフロンが減る、もあると思われるが。 

 そんなわけでネフロン数が少ないとあまり身体によくなさそうである。しかし、生体腎移植ドナーはネフロン数が半分になっても腎機能は半分以上あるし、(少なくともドナー評価が厳格な米国のデータでは)天寿を全うする。

 これについてはどう考えればよいのだろう?ネフロンの数もさることながら、一つ一つのネフロンの働きも大事なのではないか?つづく(写真は"Officially missing you"を2012年にカバーした、オーストラリア出身で双子のJayeslee)。





2017/08/14

CJASN Attending Rounds+α 治療抵抗性高血圧

 治療抵抗性って一体何だろう? 

 降圧薬が複数種類入ってもなお、血圧高値の患者さんがおり、マネージメントに窮している状況に出会った。さてさてどうしたものか。何か患者さんをベースにしたやりとりを記されている論文はないものか探してみた。そしたら素敵なシリーズを発見した。

 
 CJASN Attending Rounds

 である。知っている方もいるかもしれないが、この特集を読んだ時、衝撃が走った。この特集の価値は単なるお勉強ではなくReal worldを意識し明快に記載されている点にある。目の前の困った患者の問題点と[CJASN Attending Rounds]というキーワードをGoogleで検索するといくつかの論文を容易に見つけることができる。


 なお、そこでも症例が紹介されており、下図の7つのステップで考えようとある(CJASN 2011 6 2301)。






治療抵抗性高血圧の7つのステップ


1 治療抵抗性であると確定させる。


 3種類以上の降圧薬を内服していても、140/90mmHgを超えること。ただ複数回血圧を測定することが望ましい。


2 「偽」治療抵抗性であるかどうかを確認する。


 適切なカフを用いて測定する。適切な休憩(静かな場所で5分以上)の後に測定する。

3 高血圧を起こしうる生活要因を同定する。


 食塩の過剰摂取、体重過多を確認する。

4 高血圧を起こしうる薬剤を可能なら中止する。


 NSAIDs、COX-2阻害薬、ステロイドやESA製剤など血圧をあげうる薬剤が含まれていないかを確認する。

5 2次性高血圧(分類:副腎、腎臓、それ以外)をスクリーニングする。


 OSASも忘れずに鑑別を行う。

6 薬剤での治療(背景にある病態を考え、副作用を最小限にする形で薬剤の併用)


 例えば利尿剤にACEIを足すことで、低K血症をある程度防ぐ。


7 高血圧治療の専門医に依頼する。


 新たな診断、マネジメントを展開できる可能性があるので、このステップまで来たら相談する。



 また以前に、Renal fellow networkでも話題になっていた。なお、追加でより深くResistant Hypertensionを学びたい方はこちら(doi: 10.2215/CJN.06180616)。
 なお, CKD患者での治療抵抗性高血圧に関する論文が、CJASNから発表されており、参考にされる方はこちらより。

2017/06/30

腎臓内科と五苓散 3

 五苓散の臨床応用について調べると、たとえば高血圧に用いた香港の論文がでる(Complementary Therapies in Medicine 2013 21 609)。ただし、五苓散と天麻鈎藤飲(Tianma Gouteng Yin)の併用で、天麻鈎藤飲のほうは成分を「強化」してあった。プラセボとのコントロールはなく、末尾に「コントロールスタディが望まれる」と書いてあるがそれから行われた様子はない。

 日本でのデータでは、漢方治療エビデンスレポート 2013(日本東洋医学会 EBM 委員会タスクフォース編)にいくつか。胆嚢ポリープの術前に五苓散を内服してもらい、術後の尿量やNa値を小柴胡投与群・非投与群と比べたもの(日本東洋医学雑誌 1992 42 313)、高齢者の軽度足背浮腫に対する効果を小柴胡湯と比べたもの(漢方の臨床 1999 44 1091)など。

いろいろあるけれど、スタディの質は余り高くなく思えてしまう。五苓散と同様に高血圧に用いられている天麻鈎藤飲はCochraneがレビューしているが、やはり良質のRCTがなく有効性を評価できなかった(DOI: 10.1002/14651858.CD008166.pub2)。「だから漢方はあてにならない」という立場、「漢方はそもそも方法論がちがうから、西洋医学の考えで有効性を測れるものではない」という立場、いろいろあるだろう。

 これらを解決しようと、東洋医学の臨床研究をどのようにデザイン・報告するかの指針として提唱されたのがCONSORT Extension for Chinese Herbal Medicine Formulas 2017: Recommendations, Explanation, and Elaborationだ。米国内科学会誌に6月27日オンラインで発表された(doi:10.7326/M16-2977、フリーアクセスだ)。いままで作られたCONSORT Extentionに、証(zheng、Pattern)などの東洋医学理論を反映させて更新されたものだ。

 米国内科学会誌なのに、これには中国語版がある。しかも、繁体字と簡体字の両方(繁体字のタイトルは「中藥複方臨床隨機對照試驗報告規範 2017: CONSORT聲明的擴展・說明與詳述」)。日本語版、韓国語版などもできるかもしれない。これが完璧と言うわけではないけれど、ひとつのたたき台として、これから質の高いスタディが組まれて東洋医学が西洋医学を受ける患者さんにも益すればいいなと思う。


2017/03/20

IgA腎症と妊娠から考えること。(IgA nephritis and pregnancy and so on.)

個人的に今週末は幸せな気持ちになる週末でした。
そんな週末を経て今日は上記の話題を書きたいとおもいます。

やはり、今日外来でIgA腎症の人に
「先生、私妊娠したいんですけど薬はどうすればいいですか?」
と聞かれた。この患者さんの内服薬はARBを内服しており、タンパク尿は0.3g/Cr程度、腎機能も問題なし。また、扁桃摘出+パルス療法を行って完全寛解を得られている。

でも、やっぱりタンパク尿減らすためにARB使用していて減らすのはどれだけいいのか?妊娠でIgA腎症は再燃しないのか?と考えてしまった。

まず、IgA腎症において妊娠は正常な腎機能であれば許容される(AJKD 2014)
では、慢性腎機能障害の人はどうであろうか?
GFR<70mL/min以下、高血圧非コントロール例、腎生検で重度動脈や尿細管間質病変がある症例では、腎疾患が増悪する可能性は高くなると言われる(Clin nephrol 1994)。

では、妊娠患者の腎生検はどの人に行なえるのだろう?
まずは、血圧コントロールが良好に行えていること。また、凝固異常の併存がないこと。また、妊娠32週以前が推奨はされている。
逆に32週以降の推奨はされていない。

ARBやACE-Iは妊娠中には全期間使用は推奨されていない。これは胎児への影響が示唆されているためである。
妊娠を3期に分けた時に
1期(15週まで):ARBやACE-Iは胎児の心血管や中枢神経系の奇形を起こしうる。
2−3期:使用により胎児のGFR低下をきたし、また肺の低形成などに繋がり、胎児死亡に繋がる。

ARBやACE-Iの他にシクロフォスファミドやMMFも胎児に影響を与えるので、妊娠前には切ることが推奨される。

とすると、今回の症例に関しては、血圧の推移を見ながらではあるがARBやACE-Iを終了し、血圧が上がるようであればα-Methyldopaやカルシウム拮抗薬を用いて管理をする。
そして妊娠に備えるという形にした。

しかし、腎機能が悪い方もいるので妊娠に伴う悪化のリスクは話すことは重要である。

今回調べていてCJASN 2013のケースは一通り学ぶのに勉強になる!一読をお勧めする。

今回も患者さんから一つ勉強させていただいた。ありがたい。



2017/03/15

一度でも腎機能障害になったら妊娠に影響あるの?(Pregnancy Outcomes after Clinical Recovery from AKI.)

今回、妊娠と腎機能障害に関して、上記題名のような論文があったのでご紹介する。

妊娠の時は胎児の成長のために腎臓や胎盤がフル活動する!そのため、GFRが正常時より50%以上上昇するのはそのためである。

以前にも記載したが、早期のCKDであっても妊娠にとって悪影響を及ぼすことはわかっている(CJASN 2010)。
また、AKIがCKD進展のリスクになることもわかっている。

では、完全に腎機能の数字が戻ったAKI既往の患者が妊娠したら、何かリスクは上昇するのかというのを調べたのが今回の論文である(JASN 2016)。

研究デザイン:
後ろ向き研究で9年間追っており、AKIはCreの上昇のみで定義(基礎より1.5倍)
合併症として子癇前症、妊娠高血圧、妊娠期間、胎児の体重、周産期死亡、NICU入室、週数より胎児が小さい
などを見ている。

下記のように見ている。

今回の結果では、AKIの既往の女性では、子癇前症、非正期出産の割合、NICU入室率、胎児の影響が優位に高かったとでている。


Limitationとしては、KDIGOの基準に含まれるような48時間で0.3mg/dl以上のクレアチニン上昇の症例は含まれておらず、コントロールに入っている可能性や、AKIの原因は不明なことが多いなどがあげられている。

なので、妊娠した人に過去に腎臓悪くなったことはありませんか?と聞くのも重要になってくる可能性もある。
腎臓は数字上は正常に戻っても何かしらの影響を与えていると考えると、ますます神秘に満ち溢れていると感じる。



2017/03/14

塩分摂取について ③(about sodium intake : NUTRICODE trial)

今回はもう一つの論文であるNUTRICODE trialについて(NEJM 2015;371:624-634)

今回のこの3つのtrialに関してはQUICK TAKE VIDEO SUMMARYが付いているので見ていただければと思う。

ちなみに食塩相当量の計算には常に注意することが大事である。
例えば食品にナトリウム量で書かれていれば、食塩相当量に直すことは重要である。
食塩相当量(g)=Na摂取量(g)×2.54
なので、注意する。
しかし、2015年の4月1日から、日本の食品基準に関して法律の変更があり義務表示の「ナトリウム」は「食塩相当量」で表示しましょう!ということが提示されている。
なので、変換することを考えなくてもいいかもしれないが、知っておくと何かに役立つかもしれない。

では、本題であるが、
この研究は
国連や世界保健機関(WHO)、米国疾病管理予防センター(CDC)は、食事のナトリウム摂取量と心血管疾患との関連を強調しているが,ナトリウム摂取が世界的にみた影響や年齢,性別,人種,国,高血圧合併等による違いは明らかにはなっていなかった。
そのため、66カ国の患者において尿中ナトリウム排泄から推定したナトリウム摂取量に関する調査を行い、
・世界的なナトリウム摂取量を定量化

・ナトリウム摂取量の血圧への影響
・血圧の心血管死への影響をメタ解析により評価
・基準値を超えるナトリウム摂取量が心血管死に及ぼす影響を年齢別・性別・国別に推定。

結果:
・ナトリウム摂取量に関して:世界の平均ナトリウム摂取量は3.95g/日(地域平均2.18~5.51g/日)。187ヵ国中181ヵ国でWHO推奨の2.0g/日を超過していた。
・減塩の効果:ナトリウム摂取量2.30g/日減少で収縮期血圧は3.82mmHg低下していた。その減塩の影響は高齢者や黒人や高血圧例で若年者や白人や正常血圧例より大きかった。
・血圧の心血管死への影響:血圧の影響度は年齢に伴って低下した。
・基準値を超えるナトリウム摂取量が心血管死に及ぼす影響を年齢別・性別・国別に推定。:世界中で毎年165万人の心血管死がナトリウム摂取過剰によるものであり、61.9%は男性で38.1%は女性であった。心血管死の10人に1人にあたり、このうち84.3%は低~中収入国に見られ、40.4%は70歳以下であった。ナトリウム摂取過剰による心血管死の割合はグルジアで最も高くケニアで最も低かった。

結論:この研究の結果では食塩5g(Na摂取 2g)以上の摂取は心血管死に繋がるとしている。

今回、PURE と NUTRICODEを出したが、PUREでは低すぎると心血管リスクが上昇して、塩分摂取量は7.6gが適切と言っていて、NUTRICODEでは5g未満が適切としている。
PUREは追跡調査研究でありlimitationがある可能性はある。

我が国の推奨は6g未満であり、この結果を踏まえても有用な基準であると認識した。

塩分摂取は様々な領域で取りざたされており、今後さらなる研究が進めば面白いと感じた。






2017/03/13

塩分摂取について ② (about sodium intake)

塩分の摂取量については外せない論文は2014年のNEJMに立て続けにでた論文たちである。

・PURE trial
・NUTRICODE trial

は必須論文になると思う。

今回はPURE trialに関して触れる(N Engl J Med. 2014; 371: 601-11.  N Engl J Med. 2014; 371: 612-23)。

今回のPURE trialの目的は
・ナトリウムの摂取量増加は血圧上昇と関連するが、この関連がナトリウム,カリウムの摂取量や地域で異なるのかは明らかでない。
また、心血管疾患合併からみた至適摂取量に関してはわかっていない部分が多い。
これをしっかりと突き詰めようとしたのが、今回の研究である。

今回の研究は大規模コホート研究において,下記を検討している。
1)  ナトリウムおよびカリウムの摂取量(推定24時間尿中排泄量で代替)の実態を地域,国の所得水準別に推定し,血圧との関連を検証。
2)  ナトリウムおよびカリウムの尿中排泄量と死亡,心血管イベント(CVD)の関連を検証。


今回24時間尿中排泄量で代用しているが、その際に用いられているのが、Kawasaki formulaである。

下記にkawasaki formulaを記した。今回、そのほかにTanakaの式、Nervassの式なども提示している。
ある研究では、日本のCKD患者さんではTanakaの式の方がkawasaki の式よりも正確であると言われている。

Kawasakiの式(HypertensRes. 2006;29(6):397-402.)
24-h 尿中Na (mEq/day)=16.3x{(UNa/UCr)x estimated24h-UCr } ^0.5
男性:推定 24h-UCr(mg/day)=15.12x BW + 7.39 x height –12.63 x age –79.90
女性:推定 24h-UCr(mg/day)=8.58 x BW + 5.09 x height –4.72 x age –74.95

Tanakaの式(J Hum Hypertens. 2002;16(2):97-103.)
24-h 尿中Na  (mEq/day) = 21.98 x UNa/UCrx {-2.04 x age + 14.89 x weight (kg) + 16.14 x height (cm) -2244.45}^0.392

Nervassの式(Nephron Clin Prac t2014;128:61-66)
推定 24h尿中Na (mmol) = –68.625 + (体重kg x1.824) + (EM UNa in m
mol/l x0.482)

話は、脱線したが詳細は本文を読んでいただけたらと思うが、
1)については、
方法:
18か国で102,216人の成人を対象とし、早朝空腹時の尿検体を用いて24時間のナトリウム排泄やカリウム排泄を計算。そのうえで電解質排泄と血圧との関係を見ている。
結果:
Na排泄量と血圧に有意な正の関係を認め、排泄量1g増加ごとに、収縮期血圧が2.11mmHg、拡張期血圧が0.78mmHg上昇(p<0.001)。

この相関関係はNaの摂取量が増えるほど顕著になり尿中Na排泄が5g/日以上では2.58mmHg収縮期血圧が上昇し、3-5g/日では1.74mmHg、3g未満では0.74mmHgの上昇であった(P<0.001)であった。
関係が顕著だったのは,高血圧例,高齢者であった。
K排泄量と収縮期血圧には有意な負の関係が認めた。1g増加ごとに0.75mmHg低下(p<0.01)。拡張期血圧の低下は0.06mmHgであった(p=0.33)。
収縮期血圧低下が大きかったのは高血圧例、高齢者であった(p<0.001)

結論:

24時間尿中排泄量から推定したNa摂取量と血圧は正の関係,K摂取量と収縮期血圧は負の関係であった。特にその関係が顕著だったのは高Na食摂取者,高血圧例,高齢者であった。

2)については、
方法:
17か国の101,945人から早朝空腹時の尿検体を採取し、24時間ナトリウム排泄とカリウム排泄を計算し、尿中ナトリウム及び尿中カリウム排泄と死亡率と心血管イベント(CVD)の複合アウトカムとの関係を調べた。

結果:
死亡率と心血管イベントの複合アウトカムの発生は3,317例(3.3%)で、死亡1976例(CVD死650例)、心筋梗塞857例、脳卒中872例、心不全261例であった。

Na排泄量4.00~5.99g/日にくらべ,高値群(≧7.00g/日)は死亡、主要なCVDのリスクが高かった。CVD死、脳卒中による死亡・入院のリスクも高かった。この関連は高血圧例で強く、 6.00~6.99g/日、≧7.00g/日でリスクが有意に上昇した。
また排泄量低値群でも,4.00~5.99g/日群にくらべ
死亡率と心血管イベントの複合アウトカムの発生、死亡、主要なCVDのリスクが上昇した。

K排泄量≧1.50g/日群は<1.50g/日群にくらべ
死亡率と心血管イベントの複合アウトカムの発生のリスクが低かった。

結論:

24時間尿中排泄量から推定したNa摂取量3~6g/日は<3g/日,≧6g/日より死亡や心血管リスクの低下と相関していた。
K排泄量≧1.50g/日は<1.50g/日より死亡や心血管リスクの低下と相関していた。

とても、大規模なコホート研究であり重要なものである。
患者さんに少し、塩分取りすぎちゃダメですよ、カリウムはとってくださいねという意味が理解できてきただろうか?




塩分摂取について① (about sodium intake)

塩分に関しては、僕たちは摂取の制限をしてくださいね!高血圧になりますし。ということを外来で話すことが多い。

まず、塩分を取るとなぜ血圧が上がるのか?
これについてはJASN2014の論文によくのっている。
塩分摂取に対して全員が血圧上昇するかに関してはそうではない。個人差がある。

塩分摂取で血圧が上がる機序の一つが
・塩分摂取過多→腎臓の交感神経系活性上昇→WNK4(With no lysin kinase 4)発現低下→NCC(thiazide-sensitive sodium chloride cotransporter)活性化をおこし、Na保持につながり、血圧が上昇する。


図には書いてあるが、交感神経活性が上昇してWNK4活性が低下する機序も重要である(Nat Med 2011)。
これは、交感神経活性化が起こり、β2ARが活性化、PKAを介してHDAC8の活性を低下させる。これにより、核内のGRE(glucocorticoid-response element)のヒストンアセチル化が増加、グルココルチコイドおよびGRが結合し、これがWNK4の発現低下をもたらす。

そのため、塩分制限はある患者にとっては重要である。

数回塩分についての話をしたいと思う。


2016/12/24

利尿剤が効かない!?(利尿剤抵抗性について考える) パート3

利尿薬抵抗性の症例を見たときにアルゴリズムがあるといいなと思うのは僕だけだろうか?
アルゴリズムはその流れに乗ればある程度うまくできるので好きなのだが、もちろんしっかりとなぜこのようなアルゴリズムになっているかなどを考えなくてはいけないと思う。
今回、アルゴリズムを乗せる。

1:アドヒアランスの不良やNSAIDsの使用はないかチェック!!
2:食事で塩分制限はできているか?
3:症例のPK,PDの点から考えて一回の利尿薬の投与量を増量したほうがいいのか回数を増やしたほうがいいのかを考える。
4:経口のループ利尿薬を使用し、ダメなら違う作用の利尿薬を加える(遠位尿細管の薬や近位尿細管作動薬など)
5:点滴投与を考える。ダメなら持続投与も考える。

パート2を読んでいただいた方にはスッと内容が理解できるであろう。

利尿薬抵抗性を乗り越えるために重要な点は
・2つの作用タイプの利尿薬を使用する(ループ利尿薬がファーストライン治療薬)。
・肝硬変症例であればフロセミドとスピロノラクトンの併用が様々なデータの蓄積がある。
・肝硬変以外の併用薬に関してはエビデンスが少ない。なので、小規模の研究からサイアザイドをセカンドラインの治療薬をして推奨されている。
・タンパク尿が出ている症例ではプラスミンの働きでENaCの活性が生じているので、ENaC阻害薬がいいかもしれない。

また、アセタゾラミドがペンドリンの阻害を起こすのでセカンドラインではどうだろうという意見もある。

本当に浮腫は悩まされるし、難しい。

ちなみに今回の症例はフロセミドの投与を行いつつ(しっかりと量と回数を注意して)、あとENaCを阻害するトリアムテレンを使用し、浮腫の改善を認めた。
つまり、今回の症例は
ネフローゼ、慢性腎不全、ENaC亢進などが主に利尿薬抵抗性に関連していたのだろう。


あと、ポイントとして利尿薬はスピロノラクトンとトルバプタン以外は糸球体濾過を受けずに近位尿細管から基本的には分泌されて作用するのはポイントだろう!

どうであろうか?
かなり深く抵抗性に関してかかせていただいた。腎臓内科は利尿薬使用のスペシャリストとしてしっかりと把握しなくてはと常に思う。


2016/12/22

利尿剤が効かない!?(利尿剤抵抗性について考える) パート1

利尿剤は腎臓内科がよく使う薬の一つである。
薬の選択に関してはもちろんであるが、効かない時にどうしよう?と迷うことが多いと思う。今回、AJKDに利尿剤抵抗性についての総評があったので読んでみた。

利尿薬の抵抗性に関しては定義としては
「利尿剤投与を最大量使用しているが、望んだ浮腫の改善がない。」
ものである。

利尿剤抵抗性の原因としては
・診断が間違っている(浮腫が静脈うっ滞やリンパ浮腫など)
・塩分制限や水分の制限が守られていない。
・薬が腎臓に届いていない。
 -アドヒアランスが悪い
 -量が少なすぎる、投与回数が適切でない
 -吸収が悪い(腸管吸収など:ネフローゼ症候群)
・利尿薬分泌の低下
 -尿毒素による利尿薬の吸収障害
 -腎血流の低下
 -腎の機能している範囲の低下
・薬物に腎臓が働かない
 -GFRの低下(心不全や肝不全など)
 -有効循環血液量の低下
 -RAA系の活性化
 -NSAIDsの使用(遠位の尿細管での代償性Na再吸収亢進)

症例を提示しよう。
55歳男性で浮腫と呼吸困難で入院。
肝硬変にはいたっていない慢性C型肝炎があり、MPGNで2回再発がある。
MPGNの再発はステロイドと利尿剤の併用で改善していた。
ただ、再発の影響か腎機能に関しては低下して、GFRが37mL/min/1.73m2まで低下。

今回は体重が20kg増加して、腹水も伴っていた。血圧は145/110mmHg
今回の診断としてはネフローゼ症候群の再発と考えられた。

腎生検が施行されて、C型肝炎関連のMPGNの再発が考えられた。

治療でフロセミドの投与を行い、持続まで行ったが体重減少に関してしっかりとした反応がなく、サイアザイド利尿薬なども使用するも反応が乏しい状態であった。

どう考えよう?利尿薬も最大に使ってるのに、、
上の抵抗性のに当てはまるものはあるのか??

次回少しずつ紐解いてみる。