2013/11/07

Geriatric nephrology 16

 ドラマでICUというと、若い患者(主人公)が静かに寝ており、恋人が手を握ると静かに目を開けるシーンを想像するかもしれない。しかし、スタディによればICUの患者さんの60%以上は65歳以上だ(Crit Care Med 2006 34 1016)。そして、透析患者さんも多い(あるスタディでは3%、JASN 2009 20 2441)。透析患者さんは入院率が高く、入室時に非透析患者よりもsickerだ(CJASN 2011 6 613、カナダのデータ)。
 AKI患者さんも、高齢者が多い。Dialysis-requiring AKIのデータ(JASN 2013 24 37)が衝撃的だった。そのメカニズムはいくつかある(JASN 2011 22 28によくレビューされている)が、加齢だけでなく薬剤(KI 2012 81 1172によくまとめられている)や慢性炎症や低栄養などさまざまだ。筋肉量低下によりCrが低く(eGFRが高く)見積もられ薬や輸液が過剰になったり、止められるべき薬が与えられてしまう事もあろう(CJASN 2013 8 1070)。腎臓内科の役目はこれらを防ぐことだが、残念ながらあとの祭りなこともある。