今週はBiopsy conferenceで、アミロイドーシスの症例がでた。といっても、一般的なAL amyloidosis(light chain由来だが異常タンパクでbeta-pleated sheetを形成する)でも、AA amyloidosis(serum precursor protein SAA、二次性アミロイドーシスと呼ばれていた)でもない、fibrinogen amyloidosisだ。略してAfibともいう。
fibrinogen amyloidosisは、fibrinogen A-alpha chainの蓄積で起こる病気だ。病理的にはCongo red陽性、lambda light chain陰性、fibrinogen陽性で診断する。蓄積するのは腎臓だけではなく、全身の沈着により動脈硬化、末梢神経障害、自律神経障害、胃腸蠕動障害なども起こる(Blood 2010, 115, 2998-3007)。さらにこの著者Dr. Arie Stangouは肝臓移植によって異常アミロイドの産生そのものを止めて病気を治癒できるかもしれないという。
さらに話は他のアミロイドに及んだ。そのひとつは、2008年に発見されたLECT2(leukocyte chemotactic factor 2)だ。この分子が腎臓で何をしているのかは分かっていない(好中球の遊走ではないようだ)。組織学的には、congophilia(Congo redが強陽性)と広範で非特異的な沈着(糸球体のみならず、血管や間質にも)が特徴らしい(KI 2010 77 816-819)。