重要なことを繰り返し説明するのは常識だ。だから二日目も繰り返し大事なことが繰り返された。高齢化は移民を受け入れる米国でさえ進んでいる。Medicareが始まった頃の平均寿命は60歳台だった。いま、いろんなことのおかげで長生きでき(男性76歳、女性80歳)、退職後の生活も変わった。
米国にCKD患者はどれだけいるのか?3期が760万人、4期が40万人、5期が30万人(AJKD 2003 41 1)。ESRDは高齢者の病気、80歳人口の2000人/100万人(1/5000)がESRD患者だ。だから腎臓内科医は高齢者のケアを知らなければらならない。認知、目や耳、心、セルフケアなど。
だから、geriatric assessment(GA)が有用かもしれない。医療と直接関係しないところも多いし、全部医師が一人でやる必要はない。GAは長生きを目標にしているのではなく、元気でおり、機能を維持し、できるだけ在宅できることを目標にしている。
認知低下のことは以前に書いたが、多くは血管性と考えられ、GFR低下に相関しているからスクリーニングしなければならない。米国にはMMSE、日本には長谷川式があるが、ここではMOCA(Montreal Cognitive Assessment)が紹介されていた、作業能力を問うらしい。うつも大事。
セルフケア、何が出来ますか?予約、移動、薬、食事、など。これらを含めたKEL(Kohlman Evaluation of Living Skills)というスクリーニングがあり、OT療法士さんにお願いするとスコアが返ってくる。スコアが6より多いと自宅で独立して暮らすことは難しいそうだ。転ばないには?透析室に歩いてくるかどうかを見るのもよいし、Timed-up-and-goという簡単なテストもある。
透析医はかかりつけ医か?米国でもそうらしい(ASAIO J 1992 38 M279)、もっとも週三回診察することはないが。そして、主治医であるからこそACP(Advanced Care Planning)を始めなければならない。ESRD患者の死亡率は一般の6倍だ。困難な会話でも、後悔しないように、患者と家族に話しかけなければならない。
クマさんがおしっこしないで冬眠できるのも、じん臓が一日に体液の何十倍もろ過してから不要なものを残して再吸収するのも、じん臓の替わりをしてくれる治療があるのも、すごいことです。でも一番のキセキは、こうして腎臓内科をつうじてみなさまとお会いできたこと。その感謝の気持ちをもって、日々の学びを共有できればと思います。投稿・追記など、Xアカウント(@Kiseki_jinzo)でもアナウンスしています。
2013/11/06
2013/04/26
ESRDと認知機能
先日はTufts大学から先生が来て『慢性腎疾患と認知機能』という講演をした。認知機能低下は、腎に限らず慢性疾患が進行すれば付随するだろう。だからESRDに認知機能低下が潜在していると聞いても驚くことではない。ある透析施設でMMSEを行ったところ、17点以下が8%、18-23点が22%にみられた(AJKD 1997 30 41)。更年期ホルモン療法スタディの再分析で、GFRは年齢や人種をadjustしても認知低下のindependent risk factorだった(AJKD 2005 45 66)。
どんなメカニズムなのか?詳しくは分からないが、脳血管障害は一つだろう。慢性腎疾患が血管障害をきたす以上、その影響は心血管だけでなく脳血管にも及んでいるはず。あるESRD患者さんを対象にしたcross-sectionalな研究(Neurology 2013 80 471)では、ESRD患者群のexecutive function 低下が見られ(記憶機能は比較的保たれていた)、それにはvascular risk factor(高血圧、糖尿病、心不全など)が強く相関していた。
透析に関係したリスク因子もあるかもしれない。透析中に血行動態の変化によりmyocardial stunningが起こるように、脳も(auto-regulationがあるとはいえ)影響を受けているかもしれない。ESRD患者群には脳MRIに白質異常や脳萎縮が有意に多く見られたというスタディもある(AJKD 2013 61 271、ただしcross-sectionalで透析導入前との比較がない)。うつ病の影響もあろう(AJKD 2010 56 704)。25-OH Vitamin D欠乏の影響(doi: 10.2215/CJN.10651012)も推察されている。
どんなメカニズムなのか?詳しくは分からないが、脳血管障害は一つだろう。慢性腎疾患が血管障害をきたす以上、その影響は心血管だけでなく脳血管にも及んでいるはず。あるESRD患者さんを対象にしたcross-sectionalな研究(Neurology 2013 80 471)では、ESRD患者群のexecutive function 低下が見られ(記憶機能は比較的保たれていた)、それにはvascular risk factor(高血圧、糖尿病、心不全など)が強く相関していた。
透析に関係したリスク因子もあるかもしれない。透析中に血行動態の変化によりmyocardial stunningが起こるように、脳も(auto-regulationがあるとはいえ)影響を受けているかもしれない。ESRD患者群には脳MRIに白質異常や脳萎縮が有意に多く見られたというスタディもある(AJKD 2013 61 271、ただしcross-sectionalで透析導入前との比較がない)。うつ病の影響もあろう(AJKD 2010 56 704)。25-OH Vitamin D欠乏の影響(doi: 10.2215/CJN.10651012)も推察されている。
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