吸着療法はコンサルトされる割合はどうであろうか?
個人的な印象ではかなり少ないかもしれない。一つには吸着療法を使う場面がわからず、コンサルトがかからない。コンサルトされる側もよくわからないというのは一つあるのではないかと考える。
今回、少し吸着療法になじみをもっていただいて、コンサルトされたときに胸を張ってできるようになれればと思う。
吸着に関しては取り除く場所によって二つに分かれる。
①血液吸着療法(HA:Hemoadsorption)
②血漿吸着療法(PA:Plasma adsorption)
に分かれる。
今回、まずは①のHAに関して述べたい。
まず、HAの回路に関しては下記のような回路になっている。
http://www.eonet.ne.jp/~hidarite/ce/touseki07.htmlより引用 |
基本的にHAに関しては補充液や透析液などは必要がない。そのため、回路は少なくなっている。
血液吸着というからには、すべての血液(血球+血漿)の吸着をしているかというとそうでは無く、血漿の一部を吸着している(もちろん血漿吸着とは異なる)。
ここで、重要なのはやはり吸着剤である。この吸着剤によって何が吸着されるかが異なる。
①活性炭(DHP-1、ヘモソーバ、ヘモカラム)
②ポリミキシンB固定化吸着剤(トレミキシン)
③ヘキサデシル基固定化セルロースビーズ(リクセル)
この膜の名前を聞くとあーっと言われる方も多いと思う。意外と身近には存在する。
①活性炭吸着
活性炭表面の微細孔に被吸着物質が入り込むことによってなされ、分子量5,000程度の物質の可逆的な吸着で物理的な吸着法である。
ちなみにイオン交換樹脂などをもちいて吸着を行う方法を化学吸着法という。
活性炭吸着器は
・ヘモソーバTM CHS-350(旭化成メディカル)
旭化成メディカルより引用
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・ メディソーバDHP(川澄化学工業)
川澄化学工業より引用 |
・血流量:100~200mL/minでの管理
・重要なのは吸着カラム内で凝固を起こすのを認知する事が重要
⇒吸着のカラム入口圧と出口圧の差圧をモニタリングする。(入口圧が40kPa(300mmHg)を超える場合にはカラム内凝固を疑う。)
・抗凝固薬:ヘパリンを使用。ナファモスタットメシル酸塩は吸着されるため、使用できない。
・治療時間:3~4時間を目安とする。
利点:回路が単純である点。
欠点:分子量が100未満のものや10000より大きいものは吸着されにくい。また、ブドウ糖も若干吸収するため血糖値に注意する。
・保険適応:薬物中毒、肝性昏睡
・薬物中毒で考慮するもの:
これについては以前に書いた。
バルビタールやフェニトインやアマニチンやパラコートの中毒は考慮する。
今回HAについて書こうと思ったが、活性炭で長くなってしまった。
また、次回続きは記載しようと思う。