2013/02/17

World Kidney Day

 2月14日はバレンタインデー。では3月14日は?もちろん世界腎臓デー(World Kidney Day、WKD)だ。八年目にあたる今年のテーマは皆が大好きな急性腎障害だ。ひょっとして、レデジントノートとその増刊が三月に出す特集記事もそれに合わせているのかな。
  関連記事(KI doi:10.1038/ki.2012.427)を読んで驚いたのは、世界規模で急性腎障害を見ると、地域によって疫学に大きな隔たりがあることだ。発展途上国は、都市部では先進国に近い(敗血症、周術期低血圧、ACEI、NSAIDs、PPI、抗生物質、造影剤、他)パターンだ。
  しかし地方にいけば様相が異なる。下痢(水の不衛生)、septic abortion、ヘビ毒、natural medicine、leptospirosis、その他の害虫…。インドの友人達は口をそろえて「始めて診た急性透析患者はヘビ毒による腎障害だった」「ICUの半分はヘビ毒、もう半分はleptospirosisだった」などという。

  いずれにせよ言えるのは、AKIは予防できるということだ。先進国の問題は、体液減少や血圧低下時の薬剤調節や造影剤前の輸液など簡単なステップでAKIを防げるかもしれない。途上国にしても、ヘビ毒の抗血清を普及させる、衛生状態を改善させるなど(お金はかかるが)予防は可能だ。