ミルクアルカリ症候群とおぼしき症例をまた診た。脳性麻痺の患者さんが数日続く嘔吐ののち誤嚥して運ばれ、血液検査でナトリウムが162mEq/l、カルシウムが11.7mg/dl(補正後)だった。カルシウムは嘔吐の前から高値で内分泌科医を紹介受診する矢先だったらしい。この程度のカルシウム値でそこまで症状がでるとも思われないので、嘔吐とカルシウムはべつの話だろう。
ともかく血液検査ではHCO3が上昇しており、まさかまたミルクアルカリかと思って薬剤リストを見ると、果たしてbaking soda(重曹)とある。さらに骨粗鬆症予防にカルシウムとビタミンDも内服していた。家族に聞くと、重曹は胃が痛がるので慢性的に飲ませていたという。ともかく治療は補液で、最初の24時間はこまめに血液検査をして値が徐々に正常化するのを確かめることにした。