二人目がFervenza先生で、その1例目はステロイド依存で多薬にも依存になってしまった難治性の微小変化群をどうするかだった。エビデンスと経験をもとにCyclophosphamideは12週の経口でないと再発しやすい、CNIは一日一回でも腎障害は来る、MMFはステロイドを切るまでは至らないデータが多い、Rituximabは今のところ良さそうだが使い方は未確定(レビューはdoi: 10.1093/ndt/gft366)、など論文をたくさん引いてお話された。
2例目はFSGSについてだったが、彼の「nephrotic-range proteinuriaとnephrotic syndromeは違う病態」という意見が目を引いた。これを言う人には以前にも会ったことがあるが、そういうものなのかもしれない。彼によれば、FSGSについて前者は二次性、後者は原発性(いわゆるpodocytopathy)を示唆するという。ついでに、3.5g/dで線引きをした(4g/dでもいいけど)経緯に関連した論文も紹介され(Am J Med 1958 24 249)、読もうと思った。
三人目の先生は透析についてお話した。その1例目は腹膜透析で二週間前に腹膜炎をおこし、今度は別の(やはり皮膚の常在菌による)腹膜炎を起こしたケース。別の菌だから、recurrentだ(同じ菌で4週間以内ならrelapse、4週間以上ならrepeat、AJKD 2011 58 429)。Touch contaminationが疑われるが、治療は?
実はこの方(実はと言うか、最初から提示されていたが)最近いろいろあって情緒不安定で、抑うつだった。だから正解はsertralineの内服。ESRD患者さんの1/4は抑うつというデータもある(KI 2013 84 179 )し、治療したらアドヒアランスが向上したというデータも出始めた(doi: 10.1681/ASN.2012111134)。つづく。