Thomas Jefferson大学は、都心にあって歴史も実績もあり、この街に4-5個ある医学部のなかでは名門の部類にはいる(ペンシルベニア大学のようにIvy leagueではないけど)。一学年あたり300人の医学生が在籍する、巨大な医学部である。ただ病院は古くてせまく、前述の特徴を合わせても、なんだか日本のわが母校をみたような既視感を味わった。
大雪のため面接はあまりテキパキとは進まなかったが、それでもキャンセルされていたら代わりの日も選べなかった(研修医にそんな余裕はない、それに飛行機代もバカにならない)ので助かった。アイオワ大学の面接に見られたような「おれたちが未来をつくる」という意気込みは感じられなかったが、「ここは名門でスゴイんだぞ」と皆が思っている感じを受けた。
プログラムディレクターは、私が他にどの病院を受けるのかをすべてリストアップさせ、さらにいまいる病院にICUベッドが何床あるかを訊ねた。症例を与えられ考えを述べさせられたりもしたが、臆せず楽しんで回答できた。彼は「知識を問うというよりも、ストレス下にどう対応するかを見ているのだ」と言っていた。その過程でEwart's signという心嚢液貯留に伴う身体所見を教えてもらった。
ルーマニア系(名字がそんな綴りだったので訊いたらそうだった)の先生と面接したけれど、この先生は教育にとても情熱のある先生で意気投合した。また、私が研修において独立の気風を重んじていることをとても評価してくれた。Yale出身でペンシルベニア大学を経て今の大学に移ったという経歴で、かつフランスと南米の病院に留学したことがある(仏、西語で診療できる)この先生とは、一緒に働いたら面白そうだなと感じた。