2013/11/06

Geriatric Nephrology 7

 DKD(diabetic kidney disease)で顕性アルブミン尿が出たら死亡率が倍になるし、GFRが下がったら10年死亡率は60%近い(JASN 2013 24 302)。それって、まずい。しかし、intensive controlは、usual careに比べてベネフィットがないにもかかわらず際だって低血糖が多かったので以前ほど薦められない。

 むしろ、昨年はKDIGOとADAが一緒に話し合い、「DKD患者のCKD進行予防にはHgbA1cを7%くらいにしよう」ということになった(AJKD 2012 60 850)。ADAはさらに、低血糖の心配があったりアグレッシブに治療する益が少ない場合にはHgbA1cを8%以下くらいでどうかといっている。

 実際、CKD3-4期のコホートを観察研究したらHgbA1c7-8%を底にした生存曲線が得られ、GFR 35ml/min/1.73m2を切ると血糖コントロールによるESRD予防が薄れていた(Arch Int Med 2011 171 1920)。

 DKD患者さんで浮腫が出たら、TZDクラスが入っていないか確認したほうがいい。Metforminの乳酸アシドーシスについては別に書きたいが、起こるし、FDAもCr 1.5mg/dl以上の人に禁忌としている。

 新規secretogogue(GLP1、DPP4)はどうか?Exenatideは長期フォローで腎不全患者にも使えるようだった(AJKD 2013 62 396)。DPP4は、それぞれGFR低下時の処方注意がある。SGLT2については前に書いた