そのあと、KDIGO 2012を振り返った。CKDステージングは、人々に腎臓病のことがよく知られるようになったのは大きな功績だ。しかし、原因を分けていないし、とくに高齢者では「正常クレアチニン」でも年齢だけでCKDになってしまうなど問題もある。
それで昨年はCGA(原因、GFR、アルブミン尿)を分類に取り入れた。だから今は「糖尿病性腎症CKDステージG4A2(A2とは、U-alb/U-cr 30-299mg/g)」とか言う。それからKDIGO 2012にはいわゆる「ヒートマップ」が載った。これはGFRとU-alb/U-crを加味した予後予測だが、患者さんが赤いゾーンにいたら腎臓内科に相談しよう、というふうに使えると学んだ。
GFR低下やアルブミン尿は高齢者であっても予後に影響するが、その影響は若年層に比べると小さい。それに、たくさんのcomorbiditiesをもつ彼らで、all-cause mortalityが高くなったとしても交絡因子が多すぎる(BMJ 2012 345 e6341の美しい表によれば、5個以上)。