Page kidneyというのを習った。これはいわば腎タンポナーデで、subcapsular hematomaなどによりGerota筋膜内の圧が上がり腎血流が途絶することだ。イギリスのIrwin Pageという人が1939年、動物の腎臓にセロファンテープをぐるぐる巻きにして、その結果腎血流が低下しrenin、angiotensinの産生が増えて高血圧を起こることを示したのが最初だ。最初の症例は1951年に発表された。
現在では、腎生検や様々な侵襲的手技、外傷などによるsubccapsular hematomaでこれが問題になる。早急に認識し経皮的なドレナージを行えば腎機能を回復することができる。とくに片腎の患者さんではこれがいっそうcriticalだ(Nephrol Dial Transplant 2006 21, 1740)。腎内圧が高ければ、少しの低血圧でも腎灌流圧がさらに低くなる。これはintra-adominal hypertensionにおけるabdominal perfusion pressure(MAP - intraabdominal pressure)と同様だ。